地域在住男女高齢者の主観的幸福感に傷病経験が及ぼす影響の検討
1. 目的 わが国の65歳以上の高齢者が総人口に占める割合(高齢化率)は, 1950年には総人口の5%に満たなかったが, この半世紀あまりで急増し, 2006年には20.8%となった1). この高齢化率は今後も増え続けると推計されており, 高齢者の「サクセスフル・エイジング」をサポートすることは社会の重要な課題であると考える. しかしながら, このサクセスフル・エイジングの心理的な指標である主観的幸福感に関しては, いくつかの先行研究において性差や年齢差の存在が指摘されている2-4). そこで本研究では, 高齢期における生活の質を左右する重要な問題である「大きなケガ・病気」の体験(以下, 傷病...
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Published in | 日本未病システム学会雑誌 Vol. 13; no. 2; pp. 305 - 307 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本未病システム学会
2007
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ISSN | 1347-5541 |
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Summary: | 1. 目的 わが国の65歳以上の高齢者が総人口に占める割合(高齢化率)は, 1950年には総人口の5%に満たなかったが, この半世紀あまりで急増し, 2006年には20.8%となった1). この高齢化率は今後も増え続けると推計されており, 高齢者の「サクセスフル・エイジング」をサポートすることは社会の重要な課題であると考える. しかしながら, このサクセスフル・エイジングの心理的な指標である主観的幸福感に関しては, いくつかの先行研究において性差や年齢差の存在が指摘されている2-4). そこで本研究では, 高齢期における生活の質を左右する重要な問題である「大きなケガ・病気」の体験(以下, 傷病経験)を取り上げ, 主観的幸福感の肯定的側面および否定的側面への影響を男女別に, 年齢の効果も含め検討する. 2. 方法 1. 対象 「国立長寿医療センター研究所・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA:National Institute for Longevity Sciences-Longitudinal Study of Aging)」5)の第四次調査(2004年6月~2006年7月)への参加者のうち, 第三次調査(2002年5月~2004年5月)にも参加した65歳以上の825名(平均年齢72.9歳, SD=5.3)を分析対象とした. |
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ISSN: | 1347-5541 |