脳血管障害性特異病態

脳血管障害性特異病態として, 脳血管障害性パーキンソニズムと脳血管障害性失調症をとりあげる. 脳血管障害性パーキンソニズム 1.病態 老年者では脳血管障害性病態によるパーキンソニズムが少なくない. 本症の臨床的特徴は無動, 歩行障害が主体であり, 特発性パーキンソン病と比較すると, (1)特発性パーキンソン病よりも発症年齢が遅い. (2)安静時pill-rolling type振戦を有する例は少なく, あっても姿勢時振戦であったり, 不規則な微細な振戦が主である. (3)歯車様固縮は少なく, 鉛管様固縮が多い. (4)高血圧がみられることが多い. (5)CTやMRI画像で被殻, 淡蒼球外節に小...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 27; no. 4; pp. 305 - 307
Main Author 眞野行生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 01.07.1990
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ISSN0034-351X

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Summary:脳血管障害性特異病態として, 脳血管障害性パーキンソニズムと脳血管障害性失調症をとりあげる. 脳血管障害性パーキンソニズム 1.病態 老年者では脳血管障害性病態によるパーキンソニズムが少なくない. 本症の臨床的特徴は無動, 歩行障害が主体であり, 特発性パーキンソン病と比較すると, (1)特発性パーキンソン病よりも発症年齢が遅い. (2)安静時pill-rolling type振戦を有する例は少なく, あっても姿勢時振戦であったり, 不規則な微細な振戦が主である. (3)歯車様固縮は少なく, 鉛管様固縮が多い. (4)高血圧がみられることが多い. (5)CTやMRI画像で被殻, 淡蒼球外節に小梗塞がみられ, 皮質下に広範に多発性小梗塞を認めることも多い. (6)L-dopaの効果は著明ではない.
ISSN:0034-351X