群馬県で松林にスパウターを用いて散布されたアセタミプリド液剤の飛散状況

「緒言」 群馬県富士見村では, 以前から松くい虫防除のために有人ヘリコプターを用いた有機リン系殺虫剤フェニトロチオンの空中散布を続けてきたが, 周辺住民や養蜂家などの反対や苦情があり, 2002年で中止した1). その後は, 有機リン剤に比し人畜や環境への負荷がより少ないと考えられるネオニコチノイド系のアセタミプリド((E)-N1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-N2-シアノ-N2-メチルアセトアミジン)の地上散布に転換した. アセタミプリドは日本曹達株式会社によって開発された殺虫剤で, ネオニコチノイド剤でありながら訪花昆虫に低毒性であり2), 既存剤と交差抵抗性を示さないという特徴...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 33; no. 3; pp. 281 - 288
Main Authors 市川有二郎, 盛山充, 本山直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2008
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ISSN1348-589X

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Summary:「緒言」 群馬県富士見村では, 以前から松くい虫防除のために有人ヘリコプターを用いた有機リン系殺虫剤フェニトロチオンの空中散布を続けてきたが, 周辺住民や養蜂家などの反対や苦情があり, 2002年で中止した1). その後は, 有機リン剤に比し人畜や環境への負荷がより少ないと考えられるネオニコチノイド系のアセタミプリド((E)-N1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-N2-シアノ-N2-メチルアセトアミジン)の地上散布に転換した. アセタミプリドは日本曹達株式会社によって開発された殺虫剤で, ネオニコチノイド剤でありながら訪花昆虫に低毒性であり2), 既存剤と交差抵抗性を示さないという特徴を有す. 林業用製剤としては, 当初アセタミプリドを20%含有するマツグリーン液剤(R)が普及したが, 更に改良を加えアセタミプリドの含有量が2%で, 人畜毒性として普通物, 魚毒性はA類であるマツグリーン液剤2(R)が上市された3).
ISSN:1348-589X