7. 「がん医療に携わる医師のためのコミュニケーション技術研修会」の個別開催の試み

【はじめに】がん対策推進基本計画の取り組むべき施策に, 「がん医療における告知等の際には, がん患者に対する特段の配慮が必要であることから, 医師のコミュニケーション技術の向上に努めること」とある. その条文に基づき, 厚生労働省委託事業として, 医療研修推進財団主催, 日本サイコオンコロジー学会(JPOS)協力のもと, 2008年度から「がん医療に携わる医師のためのコミュニケーション技術研修会(CST)」を開始した. 現在, 全国で年に5回程度開催され, 県内の医師も受講されている. 内容は, 悪い知らせ(bad news)(難治がん, 再発や転移, 抗がん治療の中止)を伝えるための技術(S...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 1; p. 79
Main Authors 田中俊行, 小保方馨, 大庭章, 小林剛, 間島竹彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.02.2011
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ISSN1343-2826

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Summary:【はじめに】がん対策推進基本計画の取り組むべき施策に, 「がん医療における告知等の際には, がん患者に対する特段の配慮が必要であることから, 医師のコミュニケーション技術の向上に努めること」とある. その条文に基づき, 厚生労働省委託事業として, 医療研修推進財団主催, 日本サイコオンコロジー学会(JPOS)協力のもと, 2008年度から「がん医療に携わる医師のためのコミュニケーション技術研修会(CST)」を開始した. 現在, 全国で年に5回程度開催され, 県内の医師も受講されている. 内容は, 悪い知らせ(bad news)(難治がん, 再発や転移, 抗がん治療の中止)を伝えるための技術(SHARE)を使ったコミュニケーション研修で, 主に外来診療風景を仮想の場としたロールプレイを2日間で合計8回(一人2回ずつプレイする. 他のプレイは観察者役)行い技術の習得を目指すものである. しかし, ファシリテーター(進行役)の育成に時間がかかること, 少人数制でのグループ研修であるため, 受講の機会が少ないことが問題点としてあげられているようである. 【目的】群馬での個別開催をおこなったので, 結果を報告する. 【方法】全国開催と同じスケジュールで, 土・日曜日の2日間開催とした. 病院内ではなく市内のホテルでおこなわれ, 受講生も軽装での参加とした. 4人の受講生と2人のファシリテーターを1グループとした. 模擬患者(SP)は「つくばSP会」に協力していただいた. また, 終了後, 1)充実した研修会で満足するものであったか, 2)今後, 職場の医師に参加を勧めるか, 3)ファシリテーターは面識のある人でいいか, などのアンケート調査をした. 全国開催に参加した群馬の医師にも同様なアンケート調査をし, 比較検討する予定である. 【結果】当日の研究会でCST個別開催の報告とアンケート結果を発表する. 【まとめ】今回のアンケートの結果をもとに運営上の問題点を提示し, その解決策を考察することで, 今後, 群馬県全体での開催に役立てていきたい.
ISSN:1343-2826