2. 当科で経験している乳幼児低リン血症性くる病の2例

【目的】荷重開始頃からのO脚として受診した児にくる病に散見する. 尿細管でのリン再吸収障害を病態とする低リン血症性くる病は, リン利尿ホルモンとしてのFGF23(Fibroblast Growth Factor 23が発見されてきて以来, 病態の理解が進んできている. 当科で経験している乳幼児低リン血症性くる病例について, 若干の知見を得たので報告する. 【症例】当科で経験している乳幼児くる病は11例であり, うち低リン血症性くる病は2例である. 男児女児各1例, 家族歴は1例にある. 独歩は平均14ヶ月, 主訴は共にO脚, 初診時年齢は2歳3ヶ月, 初診時身長は平均-2.4SDであった. 膝...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 1; p. 93
Main Authors 富沢仙一, 浅井伸治, 武智泰彦, 杵渕裕子, 吉橋博史, 小和瀬貴律, 大津義晃, 清水祐一郎, 福本誠二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.02.2011
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ISSN1343-2826

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Summary:【目的】荷重開始頃からのO脚として受診した児にくる病に散見する. 尿細管でのリン再吸収障害を病態とする低リン血症性くる病は, リン利尿ホルモンとしてのFGF23(Fibroblast Growth Factor 23が発見されてきて以来, 病態の理解が進んできている. 当科で経験している乳幼児低リン血症性くる病例について, 若干の知見を得たので報告する. 【症例】当科で経験している乳幼児くる病は11例であり, うち低リン血症性くる病は2例である. 男児女児各1例, 家族歴は1例にある. 独歩は平均14ヶ月, 主訴は共にO脚, 初診時年齢は2歳3ヶ月, 初診時身長は平均-2.4SDであった. 膝顆間距離は平均10cm, MAD(mechanical axis deviation)2.0cm内方, FGF23は平均138pg/ml(正常10~50)であった. 確定診断後に内科的治療を行なっている. O脚変形に対し, 長下肢装具による装具療法を行なっている. 経過1年と短いが, MAD0cmに改善し, 比較的良好な結果を得ている. 【まとめ】低リン血症性くる病児2例に対し, FGF23の高値を確認できた. 内科的治療と同時に, 下肢変形に対し, 装具療法を用いて比較的良好な結果を得ている.
ISSN:1343-2826