3. I期食道癌に対する高線量率腔内照射併用放射線治療
【目的】高線量率腔内照射併用放射線単独療法を施行したI期食道扁平上皮癌の治療成績を検討した. 【方法】対象は1997年から2007年に群馬大学および群馬県立がんセンターで治療した35例(男性30例, 女性5例)とした. 年齢の中央値は70歳(49~86歳)でm癌6例, sm癌25例で, 放射線治療の選択理由は手術拒否5例, 手術不適応30例であった. 放射線治療は原則としてm癌に対しては外部照射56Gy/28fr, sm癌には60Gy/30fr施行し, その後に腔内照射9Gy/3frを追加した. 全症例の観察期間中央値は40か月(7~120か月)であった. 【結果】22例が生存中で3例が原病死...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 1; p. 102 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.02.2011
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 【目的】高線量率腔内照射併用放射線単独療法を施行したI期食道扁平上皮癌の治療成績を検討した. 【方法】対象は1997年から2007年に群馬大学および群馬県立がんセンターで治療した35例(男性30例, 女性5例)とした. 年齢の中央値は70歳(49~86歳)でm癌6例, sm癌25例で, 放射線治療の選択理由は手術拒否5例, 手術不適応30例であった. 放射線治療は原則としてm癌に対しては外部照射56Gy/28fr, sm癌には60Gy/30fr施行し, その後に腔内照射9Gy/3frを追加した. 全症例の観察期間中央値は40か月(7~120か月)であった. 【結果】22例が生存中で3例が原病死, 10例が他病死であり, 全症例の5年粗生存率・5年原病生存率はそれぞれ47%, 85%であった. 再発は8例に認められ, m癌1例, sm癌7例にみられ, そのうち, 初回再発部位は7例が局所再発(照射野内5例, 照射野外2例), 1例が肺転移であり, 全症例の5年局所制御率は75%であった..局所再発例に対しての救済治療は手術:2例, EMR:2例, APC:2例, PDT1例がそれぞれ行われ5例が救済された. 晩期有害事象として食道潰瘍は1例(3%)に認められ, 以前に行ってきた低線量率腔内照射の発生率(21%)と比較して低かった. 【結語】高線量率腔内併用放射線治療は手術不適応I期食道癌に対して有効な根治療法であると考えられた. |
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ISSN: | 1343-2826 |