乳児のアレルギー疾患に関する遺伝素因および環境因子の解析 (遺伝素因ならびに睡眠時の環境とアレルギー疾患の関連) : 南九州・沖縄地区における「子どもの健康と環境に関する全国調査」データによる検討

「緒言」ヒトが罹患する様々な疾患は対象者の遺伝的背景のみならず, 化学的・物理的・社会的な環境因子により大きく修飾され, 発現する. 特に胎児期から小児期にかけての生育環境において曝露された環境因子よって, 成人後に免疫系・神経系・循環器系・発がんなどの健康障害が引き起こされることは Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD) として知られている. 近年の小児におけるアレルギー疾患の発症・惹起・増悪の増加は, 出生児の母親の遺伝的背景と胎児期から小児期にかけて曝露される化学物質や生活習慣などの様々な環境因子が複合的に曝露された結果であ...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 71; no. 2; pp. 138 - 148
Main Authors 宮崎航, 盧渓, 小田政子, 黒田嘉紀, 青木一雄, 三渕浩, 大場隆, 加藤貴彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生学会 2016
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ISSN0021-5082

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Summary:「緒言」ヒトが罹患する様々な疾患は対象者の遺伝的背景のみならず, 化学的・物理的・社会的な環境因子により大きく修飾され, 発現する. 特に胎児期から小児期にかけての生育環境において曝露された環境因子よって, 成人後に免疫系・神経系・循環器系・発がんなどの健康障害が引き起こされることは Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD) として知られている. 近年の小児におけるアレルギー疾患の発症・惹起・増悪の増加は, 出生児の母親の遺伝的背景と胎児期から小児期にかけて曝露される化学物質や生活習慣などの様々な環境因子が複合的に曝露された結果である可能性が考えられる. このことから本邦では2010年より環境省が出生コホート調査「子どもの健康と環境に関する全国調査 : エコチル調査」を開始した.
ISSN:0021-5082