18.膝半月板損傷に対するRadiofrequency Energyを応用した治療効果
【目的】近年, Thermal Surgeryは整形外科領域においても応用され始めている. われわれも, Hypermobile Lateral Meniscusに対してRadiofrequency Energy(RFE)を用いた治療方法について報告した. 本研究の目的は, 同治療方法の有効性および副作用を, 適応を拡大して検討することである. 【対象および方法】対象は, 半月型半月10例, 円板状メニスクス4例である. 平均年齢は29歳(13-4歳), 男性10例女性4例であった. 断裂形態は縦断裂5例, 水平断裂8例, Hypermobile型1例である. 処置方法は, 関節鏡視下にLin...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 55; no. 3; p. 313 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.08.2005
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 【目的】近年, Thermal Surgeryは整形外科領域においても応用され始めている. われわれも, Hypermobile Lateral Meniscusに対してRadiofrequency Energy(RFE)を用いた治療方法について報告した. 本研究の目的は, 同治療方法の有効性および副作用を, 適応を拡大して検討することである. 【対象および方法】対象は, 半月型半月10例, 円板状メニスクス4例である. 平均年齢は29歳(13-4歳), 男性10例女性4例であった. 断裂形態は縦断裂5例, 水平断裂8例, Hypermobile型1例である. 処置方法は, 関節鏡視下にLinvatec社ウルトラアブレーター(カップタイプ)を用いて25W, 1秒, 切開モードの条件で行なった. 処置範囲は, 術前のMRIにて変化の認められた範囲を参考に関節鏡視で所見の認められた部位とした, 術後の後療法は半月板切除術後に準じたが, ACL再建例では再建後の後療法を行った. 評価方法は, 術後3ヶ月6ヶ月1年時にMRIを施行し, 同意の得られた症例では再鏡視を術後約1年時に行った. また, 日本整形外科学会による半月治療成績(JOAスコア)を評価した. 【結果】全例で関節水症は認められず, JOAスコアは平均92点であった. 減点項目としては, ACL再建に伴う大腿周径の差が多かった. MRIではRFE処置周囲の骨軟骨の変化はなく, 術前に半月板に認められた高輝度領域は低輝度に変化していること多かった. また, この変化は半月板切除後に見られるスピードよりも早い印象であった. 再鏡視が可能であつた症例では, RFEによる瘢痕が認められるものもあったが, 可動性は問題なかった. 周囲の関節軟骨に所見はなかった. 【考察】半月修復についてRFEを用いた方法は短期的な副作用は少なく, 縫合術の適応が困難な症例や切除範囲が大きくなってしまう水平断裂については有効であると考えられる. しかし, 中長期的な予後については不明であり症例を重ね検討する必要がある. |
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ISSN: | 1343-2826 |