1. 髄外腫瘤が急性骨髄性白血病の予後に与える影響の検討
【背景】腫瘤形成性白血病(granulocytic sarcoma, GS)は, 急性骨髄性白血病の約3.1~9.1%に見られる稀な疾患である. GSを伴うAMLは予後不良との報告があるが, 予後因子として確立されていない. そのため, 当科および済生会前橋病院の症例について後方視的に検討した. 【対象・方法】1990年1月から2007年12月までに診断されたAML388名(年齢15-86歳(中央値55歳), 男性230名/女性148名)を対象とした. GSを合併した患者は48名(12.3%)で, GS群48名/nonGS群340名で検討を行った. 【結果】年齢は, GS群:15-76歳(中央...
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| Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 59; no. 2; p. 211 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
北関東医学会
01.05.2009
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| ISSN | 1343-2826 |
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| Summary: | 【背景】腫瘤形成性白血病(granulocytic sarcoma, GS)は, 急性骨髄性白血病の約3.1~9.1%に見られる稀な疾患である. GSを伴うAMLは予後不良との報告があるが, 予後因子として確立されていない. そのため, 当科および済生会前橋病院の症例について後方視的に検討した. 【対象・方法】1990年1月から2007年12月までに診断されたAML388名(年齢15-86歳(中央値55歳), 男性230名/女性148名)を対象とした. GSを合併した患者は48名(12.3%)で, GS群48名/nonGS群340名で検討を行った. 【結果】年齢は, GS群:15-76歳(中央値47歳), nonGS群:15-86歳(中央値56歳)(p=0.0004), と有意にGS群は年齢が低い傾向が見られた. 男女比に有意差は見られなかった. FAB分類ではGS群はM4, M5が有意に多く, M3が有意に少ない傾向が見られた. 表面マーカー, 染色体異常に関しては両群に一定の傾向は見られなかった. 予後について, OS・EFSをKaplan-Meier法を用いて解析した. OSでは両群に差を認めなかったが, EFSはGS群で有意に不良であった. 多変量解析においてもGSはEFSに対して有意な因子として抽出された. 【考察】今回の検討でGS群の年齢が有意に低いにも関わらず, OSは同等, EFSは有意に低い結果であった. これは再発が多いためと考えられ, 今後, 造血幹細胞移植の適応についても検討していく必要がある. |
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| ISSN: | 1343-2826 |