11. 隣接臓器浸潤を認めた右副腎腫瘍に対し拡大合併切除術施行した一例
62歳男性. 直腸癌加療中, 右副腎腫瘍の増大あり. 前医で針生検するも壊死のため詳細不明だが直腸癌の転移は否定的な所見であった. 加療目的に当科紹介. 副腎皮質癌T4N0M0の診断で右副腎摘出術及び右腎・肝右葉・下大静脈・胆嚢合併切除施行. 腫瘍が腎, 右腎静脈, 肝下面, 下大静脈血管の裏にも浸潤癒着していたため, これらの臓器も合併切除した. 下大静脈は, 上縁は肝静脈枝まで, 下縁は腎静脈分岐部までを切除. 側副路からの血行に期待し左腎静脈及び下大静脈は切断されたままの状態とした. 手術時間11:22, 出血量3090ml. 術後, 肝不全, 高ビリルビン血症, 腎不全, 呼吸不全,...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 61; no. 2; p. 241 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.05.2011
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 62歳男性. 直腸癌加療中, 右副腎腫瘍の増大あり. 前医で針生検するも壊死のため詳細不明だが直腸癌の転移は否定的な所見であった. 加療目的に当科紹介. 副腎皮質癌T4N0M0の診断で右副腎摘出術及び右腎・肝右葉・下大静脈・胆嚢合併切除施行. 腫瘍が腎, 右腎静脈, 肝下面, 下大静脈血管の裏にも浸潤癒着していたため, これらの臓器も合併切除した. 下大静脈は, 上縁は肝静脈枝まで, 下縁は腎静脈分岐部までを切除. 側副路からの血行に期待し左腎静脈及び下大静脈は切断されたままの状態とした. 手術時間11:22, 出血量3090ml. 術後, 肝不全, 高ビリルビン血症, 腎不全, 呼吸不全, 下腿腫張となりFFP輸血, CHDF, ビリルビン吸着, 胸腔ドレナージなど施行. 術後9日目に抜管し術後15日目にICUより退室. HD継続したが, 術後26日目に自尿が出始め, 術後34日目に透析離脱でき, その後退院となった. 病理は出血性嚢胞であった. |
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ISSN: | 1343-2826 |