Mucosal Bridgeがみられた非特異性腸潰瘍の1例

症例は36歳男性.31歳頃よりときどき便秘出現, 昭和62年6月, 腹部不快感が持続したため湖東総合病院内科受診大腸内視鏡検査で回盲部に広範な潰瘍を指摘され当科に紹介された.当科入院時の大腸内視鏡検査では, 回盲部に周囲が集中した粘膜により周堤様に盛り上がった深い潰瘍がみられ, その口側にmucosal bridgeがみられた.入院後prednisolone 60mg/日の経口投与を開始, 次第に漸減したが, 潰瘍の大きさは不変であった.退院後prednisoloneを中止, 昭和63年6月よりsalicylazosulfapyridine (Salazopyrin) とtranilast (...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 43; no. 7; pp. 1392 - 1397
Main Authors 飯塚, 政弘, 正宗, 研, 伊藤, 良, 大窪, 天三幸, 千葉, 満郎, 五十嵐, 潔
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 01.11.1990
Subjects
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.43.1392

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Summary:症例は36歳男性.31歳頃よりときどき便秘出現, 昭和62年6月, 腹部不快感が持続したため湖東総合病院内科受診大腸内視鏡検査で回盲部に広範な潰瘍を指摘され当科に紹介された.当科入院時の大腸内視鏡検査では, 回盲部に周囲が集中した粘膜により周堤様に盛り上がった深い潰瘍がみられ, その口側にmucosal bridgeがみられた.入院後prednisolone 60mg/日の経口投与を開始, 次第に漸減したが, 潰瘍の大きさは不変であった.退院後prednisoloneを中止, 昭和63年6月よりsalicylazosulfapyridine (Salazopyrin) とtranilast (Rizaben) を投与した.平成元年4月施行の大腸内視鏡検査では, 潰瘍の肛門側に新たにmucosal bridgeの形成がみられた.mucosal bridgeの形成をみた非特異性腸潰瘍の報告はこれまできわめて稀である。本症例はその形成過程を内視鏡的に追跡し得た貴重な症例と考えられた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.43.1392