高齢者に発症した潰瘍性大腸炎の1例 教室例の検討も加えて

70歳時に発症した潰瘍性大腸炎の1例を報告すると共に教室の潰瘍性大腸炎症例について若干の文献的考察を加え検討した.症例は73歳の男性.70歳時に潰瘍性大腸炎が発症し,その再燃のため当科入院.Trueloveの分類で中等症,全大腸炎型であった.プレドニン40mg/目,サラゾピリン4g/日の経口投与で症状は緩解した. 欧米の報告では50歳以上で発症した潰瘍性大腸炎は重篤なものが多く死亡率も高いが,本邦のそれは病変範囲が狭く軽症のものが多く予後は良好といわれている.教室例46例を検討した結果,50歳以上での発症例は全体の21.7%を占めた.その内訳は直腸炎型50.0%,左側大腸炎型10.0%,全大腸...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 40; no. 2; pp. 182 - 185
Main Authors 村田, 雅彦, 千葉, 満郎, 五十嵐, 潔, 荒川, 弘道, 太田, 弘昌, 大高, 道郎, 正宗, 研
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 01.03.1987
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.40.182

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Summary:70歳時に発症した潰瘍性大腸炎の1例を報告すると共に教室の潰瘍性大腸炎症例について若干の文献的考察を加え検討した.症例は73歳の男性.70歳時に潰瘍性大腸炎が発症し,その再燃のため当科入院.Trueloveの分類で中等症,全大腸炎型であった.プレドニン40mg/目,サラゾピリン4g/日の経口投与で症状は緩解した. 欧米の報告では50歳以上で発症した潰瘍性大腸炎は重篤なものが多く死亡率も高いが,本邦のそれは病変範囲が狭く軽症のものが多く予後は良好といわれている.教室例46例を検討した結果,50歳以上での発症例は全体の21.7%を占めた.その内訳は直腸炎型50.0%,左側大腸炎型10.0%,全大腸炎型40.0%で若年者に比し病変範囲は狭かった.また重症10.0%,中等症70.0%,軽症20.0%で中等症が多く,内科的治療で全例緩解が得られた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.40.182