Part 14: The study design
臨床研究を行う際には,研究に応じて臨床研究法,人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針や個人情報保護法に則って行わなければならない。その中でも人を対象とする医学系研究に関する倫理指針は重要な指針である。臨床検査技師が行う臨床研究は,当然,臨床検査を軸とした発表が多いが,地域包括ケアの構築が進み,高齢者が増える中,医療のあり方や患者のニーズは大きくシフトしており,今後は患者や地域のoutcomeに着目した研究が求められる。その理解として,ドナベディアンモデル1)は全ての臨床検査技師が知っておくべき概念である。また研究を行う上でPECO,PICO(patient, exposure, i...
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Published in | Japanese Journal of Medical Technology Vol. 74; no. J-STAGE-1; pp. 95 - 102 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Japanese Association of Medical Technologists
04.04.2025
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-8669 2188-5346 |
DOI | 10.14932/jamt.24J1-14 |
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Summary: | 臨床研究を行う際には,研究に応じて臨床研究法,人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針や個人情報保護法に則って行わなければならない。その中でも人を対象とする医学系研究に関する倫理指針は重要な指針である。臨床検査技師が行う臨床研究は,当然,臨床検査を軸とした発表が多いが,地域包括ケアの構築が進み,高齢者が増える中,医療のあり方や患者のニーズは大きくシフトしており,今後は患者や地域のoutcomeに着目した研究が求められる。その理解として,ドナベディアンモデル1)は全ての臨床検査技師が知っておくべき概念である。また研究を行う上でPECO,PICO(patient, exposure, intervention, comparison, outcome)といった研究の構造化や研究デザイン(研究の型)を事前に練り上げておくことが重要である。研究の型として分析的観察研究であれば,横断研究,コホート研究(前向き),コホート研究(過去起点)および症例対照研究がある。コホート研究が考え方の基本となる研究であるが,それぞれには一長一短があるため,研究の目的や行う上での制約などを加味した上で決めなければならない。研究成果を発表する際に抄録や論文を作成するが,今後はSTROBE(Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology)声明に基づいた構造化抄録・構造化論文で作成することを目指すべきである。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.24J1-14 |