がん化学療法患者への服薬指導

〈緒言〉近年がん化学療法は日々進歩しており,当院でも 年間のべ2,500人の患者が治療を受けている。 治療を有効かつ安全に行うためには患者自身の治療への 理解が重要である。当院では今回,患者の理解向上,薬剤 師による服薬指導内容統一を目的にレジメン毎の患者説明 書を作成する運びとなった。作成にあたって患者の現在の 理解度,ニーズ等を明らかにするためにアンケート調査を 行ったのでその結果を報告する。 〈対象・調査期間〉 期間:2009年2月~3月 対象:入院または外来で化学療法を施行した患者 がん種は問わないが告知されていること アンケートは各項目の理解度を5段階で評価。項目は(1) 薬剤名,(...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 58; p. 418
Main Authors 小林 万里子, 佐々木 英雄, 岡本 妙子, 吉田 厚志, 平松 義規
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE 2009
一般社団法人 日本農村医学会
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.418.0

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Summary:〈緒言〉近年がん化学療法は日々進歩しており,当院でも 年間のべ2,500人の患者が治療を受けている。 治療を有効かつ安全に行うためには患者自身の治療への 理解が重要である。当院では今回,患者の理解向上,薬剤 師による服薬指導内容統一を目的にレジメン毎の患者説明 書を作成する運びとなった。作成にあたって患者の現在の 理解度,ニーズ等を明らかにするためにアンケート調査を 行ったのでその結果を報告する。 〈対象・調査期間〉 期間:2009年2月~3月 対象:入院または外来で化学療法を施行した患者 がん種は問わないが告知されていること アンケートは各項目の理解度を5段階で評価。項目は(1) 薬剤名,(2)治療名,スケジュール,(3)当日の治療スケ ジュール,(4)副作用,(5)副作用の起こる時期,(6)副作用の 対処方法,(7)生活上の注意点,(8)医療費の8項目。また, より詳しい説明を知りたいものを選択形式でアンケートを 実施。 〈結果〉患者68人(外来53人,入院15人)平均年齢59.4歳 (30歳代~80歳代),平均治療期間18.0ヵ月(1週間~20 年)。 理解度の比較的少ないものから順番に,医療費,副作用 の起こる時期,対処方法,薬剤名という結果になった。ま た,一番知りたい内容は副作用の対処方法,医療費の順で あった。 〈考察〉アンケート結果より,治療スケジュール等は治療 回数を重ねる毎に理解度は上昇傾向であるが,副作用や発 現時期等,患者自身での早期発見,対処が重要な事柄に対 しての理解度は治療回数に関わらず全体的に低く,患者か らもより詳しい説明をして欲しいという希望が多くみられ た。また,医療費への関心も高かった。 〈今後〉以上の結果をふまえ医師,看護師,医事課の協力 を得て患者用説明書の作成を順次行なっている。 作成後は電子カルテから閲覧,印刷できるようにし,患 者に渡していく。
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.418.0