ギゾーの Histoire Général de la Civilisation en Europe をめぐる交流と伝播

本研究は、19世紀半ばフランスで政治家・歴史家として多方面で活躍したギゾーのソルボンヌ大学における講義Histoire Général de la Civilisation en Europe(1828)1)が、1842 年米国でC.S. ヘンリーに英訳されるまでの米仏の知識人の交流を調査することにより、civilisation 思想が国際交流に果たした役割およびギゾーの同思想伝播への関与について明らかにすることを目的としている。研究方法として、1828年~1842 年頃における同講義をめぐる人間関係についてハーバード大学ホートン図書館所蔵スパークス文書を調査した。その結果、ギゾーの同思想伝播...

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Published inJournal of Tokyo Kasei Gakuin University Vol. 63; pp. 33 - 47
Main Author Kawata Atsuko
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo Kasei Gakuin University 2023
東京家政学院大学
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ISSN2186-1951
2434-7922
DOI10.32295/kaseigakuinkiyo.63.0_33

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Summary:本研究は、19世紀半ばフランスで政治家・歴史家として多方面で活躍したギゾーのソルボンヌ大学における講義Histoire Général de la Civilisation en Europe(1828)1)が、1842 年米国でC.S. ヘンリーに英訳されるまでの米仏の知識人の交流を調査することにより、civilisation 思想が国際交流に果たした役割およびギゾーの同思想伝播への関与について明らかにすることを目的としている。研究方法として、1828年~1842 年頃における同講義をめぐる人間関係についてハーバード大学ホートン図書館所蔵スパークス文書を調査した。その結果、ギゾーの同思想伝播における積極的関与をトクヴィル、スパークス、ティクナー等との交流の中に認めた。同講義は、多くの人々に感銘を与えつつも、トクヴィルとの政治的対立やスパークスの著書翻訳の遅延等の問題を生じさせながら、教科書として伝播したことを本研究は明らかにした。
ISSN:2186-1951
2434-7922
DOI:10.32295/kaseigakuinkiyo.63.0_33