褥瘡ケアの継続に向けての課題
【目的】褥瘡ケアに関わる看護師の意識を明らかにし、ケア継続の為の今後の課題を見出す。 【方法】褥瘡ケアに関わる看護師に、研究者間で独自に作成したアセスメントシートを用いて、ケアの実際や褥瘡ケアに対する意識を調査した。記述が不十分と判断した場合、後日聞き取り調査を追加した。 【倫理的配慮】研究対象者及び褥瘡形成のある患者とその家族に研究趣旨とプライバシー保護を約束することを説明し、同意を得た上で研究を行った。 【事例紹介】A氏92歳女性、右腸骨に褥瘡を形成していた。入院時、ブレーデンスケール8点、円背で四肢には拘縮があった。ADLは全介助であった。 【結果・考察】今回ケアに関わった看護師は、15...
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| Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 59; p. 162 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
2010
一般社団法人 日本農村医学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
| DOI | 10.14879/nnigss.59.0.162.0 |
Cover
| Summary: | 【目的】褥瘡ケアに関わる看護師の意識を明らかにし、ケア継続の為の今後の課題を見出す。
【方法】褥瘡ケアに関わる看護師に、研究者間で独自に作成したアセスメントシートを用いて、ケアの実際や褥瘡ケアに対する意識を調査した。記述が不十分と判断した場合、後日聞き取り調査を追加した。
【倫理的配慮】研究対象者及び褥瘡形成のある患者とその家族に研究趣旨とプライバシー保護を約束することを説明し、同意を得た上で研究を行った。
【事例紹介】A氏92歳女性、右腸骨に褥瘡を形成していた。入院時、ブレーデンスケール8点、円背で四肢には拘縮があった。ADLは全介助であった。
【結果・考察】今回ケアに関わった看護師は、15名で1日1回32回のケアを行った。DESIGN評価、行ったケアの中でも特に洗浄や体位変換の方法、褥瘡発生の原因、次回必要なケア、またその根拠ではそれぞれ看護師により評価や方法にばらつきがあり、ケアが継続されていなかった。これは、方法や意見を検討し合う場が少なく、看護師個々の判断で実施されたため、適切なアセスメントによるケアの継続がされていないことが考えられる。一方、体位変換の方法では、15病日ベッドサイドへポジショニング枕を使用した体位の写真を表示したことで統一が図れた。これは、記載方法の工夫が必要なことを示している。
【結論】適切なケアを継続させるために、以下の課題が挙げられた。
1.褥瘡に関する知識や技術を共有し、褥瘡ケアを行う際、1人の看護師の判断ではなく、チーム全体で判断する場を設けることが必要である。
2.褥瘡ケア内容を分かりやすく書き留め、工夫し、情報を伝達することが必要である。 |
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| ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
| DOI: | 10.14879/nnigss.59.0.162.0 |