大動脈弁狭窄症に対するconventional AVR早期成績の検討
従来, 大動脈弁狭窄症 (AS) 治療は外科的大動脈弁置換術 (AVR) がスタンダードであるとされてきたが, 手術リスクが高いと判断される症例に対し, 経カテーテル大動脈弁置換術 (TAVI) で治療する時代を迎えている. TAVI適応基準の確立を目指し, 当院のconventional AVRの早期成績を検討した. 2009年1月から2014年7月までのAVR425例中, ASに対する単独AVRおよび冠動脈バイパス術併施AVRの298例を対象とした. 術後30日死亡2例 (0.7%), 在院死亡が5例 (1.7%) であった. その他, 心不全・脳梗塞等の主要心脳血管イベント (major...
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          | Published in | Shinzo Vol. 47; no. 11; pp. 1288 - 1294 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本心臓財団
    
        2015
     Japan Heart Foundation  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI | 10.11281/shinzo.47.1288 | 
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| Summary: | 従来, 大動脈弁狭窄症 (AS) 治療は外科的大動脈弁置換術 (AVR) がスタンダードであるとされてきたが, 手術リスクが高いと判断される症例に対し, 経カテーテル大動脈弁置換術 (TAVI) で治療する時代を迎えている. TAVI適応基準の確立を目指し, 当院のconventional AVRの早期成績を検討した. 2009年1月から2014年7月までのAVR425例中, ASに対する単独AVRおよび冠動脈バイパス術併施AVRの298例を対象とした. 術後30日死亡2例 (0.7%), 在院死亡が5例 (1.7%) であった. その他, 心不全・脳梗塞等の主要心脳血管イベント (major adverse cardiac and cerebrovascular events ; MACCE) を発症した症例および, 術後40日以上の長期入院を余儀なくされた症例を15例に認めた. 以上の20例を予後不良群 (Poor prognosis : PP群), 残り278例を予後良好群 (Good prognosis : GP群) として2群を比較した. 腎機能障害, 心不全既往, 術前NYHA Ⅲ-Ⅳ度, 左室低心機能およびHigh EuroSCOREが有意にPP群に多く存在した. 具体的なTAVI適応基準として, 術前低心機能 (EF50%以下), High EuroSCORE (10<) がひとつの目安になると考えた. | 
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI: | 10.11281/shinzo.47.1288 |