アルフレッド・バーの《キュビスムと抽象芸術》ダイアグラム再考

本研究は 1936 年にアルフレッド・H・バーがニューヨーク近代美術館で企画した、《キュビスムと抽象芸術》展覧会用に制作した有名なダイアグラムを、改めて情報グラフィックスの観点から取り上げ、その形成過程、構造、デザインとその同時代性について考察することを目的とする。まず、バーの略歴からダイアグラムの制作経過を遡り、C. モーリィの影響から出発し、自らのオリジナリティを生み出すまでのデザイン過程を明らかにした。次に、ダイアグラムの全体的な構造に対する分析を行い、バーのダイアグラムの特徴として、皿型のデザイン形態と流れのパタンを抽出した。最後に、同時代に出版された R. ブリントンの情報グラフィク...

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Published in芸術工学会誌 Vol. 90; pp. 21 - 28
Main Authors 崔 怡テイ, 伊原 久裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 芸術工学会 2025
Society for Design and Art Fusing with Science and Technology
Subjects
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ISSN1342-3061
2433-281X
DOI10.24520/designresearch.90.0_21

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Summary:本研究は 1936 年にアルフレッド・H・バーがニューヨーク近代美術館で企画した、《キュビスムと抽象芸術》展覧会用に制作した有名なダイアグラムを、改めて情報グラフィックスの観点から取り上げ、その形成過程、構造、デザインとその同時代性について考察することを目的とする。まず、バーの略歴からダイアグラムの制作経過を遡り、C. モーリィの影響から出発し、自らのオリジナリティを生み出すまでのデザイン過程を明らかにした。次に、ダイアグラムの全体的な構造に対する分析を行い、バーのダイアグラムの特徴として、皿型のデザイン形態と流れのパタンを抽出した。最後に、同時代に出版された R. ブリントンの情報グラフィクスの分類を参照し、抽象芸術の歴史を表すダイアグラムとしての同時代性を確認した。
ISSN:1342-3061
2433-281X
DOI:10.24520/designresearch.90.0_21