当院回復期リハビリテーション病棟の現状と課題

【はじめに】 当院回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)は1年半を経過し、病棟リハビリテーションについて試行錯誤しながら取り組みを実施してきた。 特に基本動作・ADLの介助の統一を図ることが難しく、検討を重ねているが、介助の統一は未だ図れていないと感じられる。 そこで、関係スタッフはどのように感じているのかアンケートにて調査したので、考察を加えたのでここに報告する。【対象】 回復期リハ病棟に関わるスタッフ29名、平均年齢33.4±8.5歳(病棟スタッフ18名:看護師13名・介護職5名、リハスタッフ11名:PT4名・OT5名・ST2名)であった。【方法】 スタッフ間の連携・病棟訓練・...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2010; p. 185
Main Authors 本多 由加, 原口 明子, 平川 樹, 中嶋 康貴, 野口 浩孝, 横田 悠介, 田邊 花倫, 河野 達郎, 小川 美穂, 高柳 公司, 小島 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州理学療法士・作業療法士合同学会 2010
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-2032
2423-8899
DOI10.11496/kyushuptot.2010.0.185.0

Cover

More Information
Summary:【はじめに】 当院回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)は1年半を経過し、病棟リハビリテーションについて試行錯誤しながら取り組みを実施してきた。 特に基本動作・ADLの介助の統一を図ることが難しく、検討を重ねているが、介助の統一は未だ図れていないと感じられる。 そこで、関係スタッフはどのように感じているのかアンケートにて調査したので、考察を加えたのでここに報告する。【対象】 回復期リハ病棟に関わるスタッフ29名、平均年齢33.4±8.5歳(病棟スタッフ18名:看護師13名・介護職5名、リハスタッフ11名:PT4名・OT5名・ST2名)であった。【方法】 スタッフ間の連携・病棟訓練・接遇の大項目からなる15個の設問について、無記名の質問紙表によるアンケートを実施した。アンケートの回収率は29名100%であり、病棟群(病棟スタッフ)・リハ群(リハスタッフ)に群分けし比較・検討した。【結果】・基本動作の介助の統一が図れていると感じている者は、全体で28%(病棟群44%・リハ群0%)であった。・セルフケアの介助の統一が図れていると感じている者は、全体で34%(病棟群44%・リハ群18%)であった。・スタッフ間の情報交換が十分であると感じている者は、全体で31%(病棟群42%・リハ群14%)であった。・情報交換において不十分であると感じている内容として、介助方法の変更に関する内容が多かった。【まとめ・考察】 アンケートの結果、全体的には、統一を図れていると感じている者は1/3程度と少なかった。しかし、病棟スタッフ・リハスタッフに分類すると、病棟スタッフでは基本動作・ADL共に44%であったが、リハスタッフでは共に20%に満たず、病棟スタッフとリハスタッフの間で『統一』に対する考え方に差があることが伺えた。また、スタッフ間の情報交換についても、十分であると感じている者は少なく、介助方法の変更に関して不十分であるとの意見が多かった。 病棟リハビリテーションにおいて、基本動作・ADLの介助の統一を図ることは重要であるが、病棟スタッフとリハスタッフとで介助方法に違いがみられており、介助方法の伝達に関し、リハスタッフからの情報が遅いとの意見もあり、介助の伝達方法が確立・徹底されていないことなど病棟スタッフ・リハスタッフ共に互いに見直すべき課題が浮かび上がった。 今後、この課題に対し、関係スタッフで話し合い、一人一人が意識して改善していくことで、よりよい回復期リハ病棟を築いていくことができるのではないかと考える。【おわりに】 今回のアンケート調査によって、関係スタッフの考え方・感じていることなどを知ることが出来た。また、関係スタッフにおいても連携・病棟訓練・接遇について考える機会になったのではないかと思われる。
ISSN:0915-2032
2423-8899
DOI:10.11496/kyushuptot.2010.0.185.0