PTママの会 活動報告

【目的】2009年現在,女性理学療法士(以下女性PT)は全体の43.6%を占め,年々増加傾向にある.多くの女性が経験する妊娠出産育児と仕事を両立するための情報発信やネットワーク形成を目的に,2008年にPT等リハビリテーション職種を対象に「PTママの会」(以下本会)を発足した.3年間の活動報告とともに,3回開催した勉強会アンケート結果を考察する. 【活動内容】年2回の勉強会開催を柱に,ブログやメールマガジンで情報交換を行っている.外部への情報発信,研究活動として,全国学会で2度,PTジャーナルで発表を行い,今年は調査研究をもとにPTママ白書を作成中である.会員は全国に分布し,会員数は131名で...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 Vol. 29; p. 76
Main Authors 奥住 彩子, 河合 麻美, 荒木 智子, 中邑 まりこ, 飯高 加奈子, 市川 保子, 板垣 美鈴, 山田 紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2010
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.29.0.76.0

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Summary:【目的】2009年現在,女性理学療法士(以下女性PT)は全体の43.6%を占め,年々増加傾向にある.多くの女性が経験する妊娠出産育児と仕事を両立するための情報発信やネットワーク形成を目的に,2008年にPT等リハビリテーション職種を対象に「PTママの会」(以下本会)を発足した.3年間の活動報告とともに,3回開催した勉強会アンケート結果を考察する. 【活動内容】年2回の勉強会開催を柱に,ブログやメールマガジンで情報交換を行っている.外部への情報発信,研究活動として,全国学会で2度,PTジャーナルで発表を行い,今年は調査研究をもとにPTママ白書を作成中である.会員は全国に分布し,会員数は131名である. 【方法】3回の勉強会に参加したPTのべ68名に無記名,選択回答形式及び自由記載形式を含む質問紙にて実施した.質問項目は職場環境,育児,勉強会など計26項目に調査を行った. 【結果】回収率は89,7%で,そのうち有効回答率は98,4%だった.職場環境について,利用した制度は産前産後休業54,1%,育児休業44,3%であった.勉強会への参加については,数ヶ月に1回42,6%,1年に1回27,9%,ほとんどなし23%となった.勉強会に参加できない理由は,子供を預けてまで参加できない37,7%,子供の預け先がない16,4%,となった.本会の勉強会への参加理由はテーマに興味を持った78,7%,PTママとの交流が欲しかった78,7%,勉強がしたかった42,6%,キッズスペースがあった27,9%となった. 【考察】出産後も就労を続けるのは約半数で,半数が退職をしている厳しい現状である.また勉強会への参加は難しい状況であるのが大多数を占め,その理由の多くは子どもを預けることにある.そのような状況の中で,参加した理由の多くがテーマへの関心,交流への希望,キッズスペースの存在であった.結果から条件が整えば勉強会に参加できることが示唆され,仕事と家庭を両立しスキルアップを求めるには,家庭や職場環境,交流の場,子供の預け先の更なる充実が不可欠である. 【まとめ】アンケート結果からPTが育児と仕事を両立するには課題が多い現状が示された.今後も本会では「私達PTママ自身がPTママであることを誇りに思い,それを楽しむこと」「PTママ自身で働きやすい環境を模索・提案し,協力が得られるように働きかけ,相互がよりよい環境を作り出していくこと」を基本精神に,仕事と家庭の両立が自然な社会になる事を目標に活動を続け,PTママがスキルアップする意識作りを促し,そのための環境作りをしていく.
ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.29.0.76.0