女子学生の咀嚼力と肥満との関連性
咀嚼力と肥満との関連を調べる目的で, 女子短大生127人に対して, 咀嚼に関する意識調査を実施した。その結果, “よく噛んで食べる” と回答した者が全体の73.2%, “食べる速さが速い” と回答した者は59.8%であった。更に, Body Mass Index (BMI) により4分類し, 意識調査の結果を検討すると, 肥満度が増すに従って, 食べる速さが速いと自覚している者が増加した。 意識調査した者に対して, 咀嚼力測定ガムを用い, 従来の方法を一部変更した方法で, 咀嚼力を測定した。その結果, “食べる速さ” の自意識とガムを噛むのに要した時間とは必ずしも一致しなかった。従って, 実際...
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| Published in | 栄養学雑誌 Vol. 54; no. 2; pp. 79 - 85 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | English |
| Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
01.04.1996
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
| DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.54.79 |
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| Summary: | 咀嚼力と肥満との関連を調べる目的で, 女子短大生127人に対して, 咀嚼に関する意識調査を実施した。その結果, “よく噛んで食べる” と回答した者が全体の73.2%, “食べる速さが速い” と回答した者は59.8%であった。更に, Body Mass Index (BMI) により4分類し, 意識調査の結果を検討すると, 肥満度が増すに従って, 食べる速さが速いと自覚している者が増加した。 意識調査した者に対して, 咀嚼力測定ガムを用い, 従来の方法を一部変更した方法で, 咀嚼力を測定した。その結果, “食べる速さ” の自意識とガムを噛むのに要した時間とは必ずしも一致しなかった。従って, 実際に食事をする速さは, 自意識とは必ずしも一致しないと考えられた。特に, 肥満の学生はガムを噛む時間が短く, 溶出糖量も少なかった。すなわち, 肥満の学生は, 十分に噛まずに, すぐに飲み込んでいるのではないかと考えられた。 今回実施した咀嚼力測定法は, 集団の傾向を把握するのに有用であると考えられ, 今後更に例数を増やし検討を加えたいと考えている。 |
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| ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
| DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.54.79 |