二重盲検法による呼吸器感染症に対するT-1982とCefmetazoleとの薬効比較試験
T-1982の呼吸器感染症に対する有用性を, Cefmetazole (CMZ) を対照薬とする二重盲検法により比較検討した。 投与量はT-1982 2g/日 (1g×2), CMZ4g/日 (2g×2) とし, 原則として14日間点滴静注して, 以下の結果を得た。 1. 薬剤が投与された症例は289例 (T-1982143例, CMZ146例) で臨床効果検討対象例は224例 (T-1982116例, CMZ108例) で65例 (T-198227例, CMZ38例) が除外または脱落とされた。 2. 小委員会判定による臨床効果は全症例ではT-1982 (116例) 87.1%, CMZ (...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 31; no. 5; pp. 528 - 565 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.05.1983
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.31.528 |
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Summary: | T-1982の呼吸器感染症に対する有用性を, Cefmetazole (CMZ) を対照薬とする二重盲検法により比較検討した。 投与量はT-1982 2g/日 (1g×2), CMZ4g/日 (2g×2) とし, 原則として14日間点滴静注して, 以下の結果を得た。 1. 薬剤が投与された症例は289例 (T-1982143例, CMZ146例) で臨床効果検討対象例は224例 (T-1982116例, CMZ108例) で65例 (T-198227例, CMZ38例) が除外または脱落とされた。 2. 小委員会判定による臨床効果は全症例ではT-1982 (116例) 87.1%, CMZ (108例) 83.3%の有効率を示し, 細菌性肺炎ではT-1982 (45例) 86.7%, CMZ (46例) 84.8%, MP肺炎, PAPではT-1982 (9例) 77.8%, CMZ (6例) 83.3%, 非肺炎ではT-1982 (62例) 88.7%, CMZ (56例) 821%の有効率を示したが, いずれの場合も両薬剤群間に有意の差は認められなかった。 3. 細菌学的効果は, T-1982 (56株) 98.2%, CMZ (54株) 98.1%で, ともに高い消失率を示した。 4.発現した副作用, 臨床値異常は, β-lactam剤一般にみられるものであり, その発現率も両薬剤間に有意の差は認められなかった。 以上より, T-1982は呼吸器感染症に対してCMZの半量でほぼ同等の臨床効果を示し有用性の高い薬剤であると認められる。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.31.528 |