近畿スキンバンクの現況と課題

近畿地区の救命救急センターを中心として近畿スキンバンクが設立された。その精神は, 重症熱傷患者の救命のために, 「give and take」の原則に則って, 公平な分配を旨とする同種移植用皮膚片の供出, 凍結保存, 分配である。また, 保存皮膚片の品質向上に精一杯の努力をし, 共同研究を促進することにある。実質1年間の実績は6医療施設において32名の提供者から392枚の皮膚提供を受け, 5施設において15名に対して延べ27回の移植手術に265枚の皮膚片が利用された。同種凍結保存皮膚片による治療成績は満足すべきものであった。今後の課題は, 費用や提供者の確保, 責任体制など山積している。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in皮膚 Vol. 38; no. 1; pp. 125 - 131
Main Authors 太田, 宗夫, 栄, 博史, 本村, 昇, 小坂, 正明, 庭屋, 和夫, 塩野, 茂, 吉永, 和正, 千代, 孝夫, 豊田, 徳雄, 岸川, 政信, 湯浅, 光利, 鵜飼, 卓
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 29.02.1996
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0018-1390
1884-541X
DOI10.11340/skinresearch1959.38.125

Cover

More Information
Summary:近畿地区の救命救急センターを中心として近畿スキンバンクが設立された。その精神は, 重症熱傷患者の救命のために, 「give and take」の原則に則って, 公平な分配を旨とする同種移植用皮膚片の供出, 凍結保存, 分配である。また, 保存皮膚片の品質向上に精一杯の努力をし, 共同研究を促進することにある。実質1年間の実績は6医療施設において32名の提供者から392枚の皮膚提供を受け, 5施設において15名に対して延べ27回の移植手術に265枚の皮膚片が利用された。同種凍結保存皮膚片による治療成績は満足すべきものであった。今後の課題は, 費用や提供者の確保, 責任体制など山積している。
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.38.125