9, 3''-di-O-acetyl midecamycin (MOM) の皮膚科領域における基礎的, 臨床的研究

皮膚科領域においてMidecamycinの新しい誘導体9, 3''-di-O-acetyl midecamycin (MOM) について検討した。 1) 膿皮症から得られたCoagulase陽性ブ菌48株, Coagulase陰性ブ菌23株に対するMOMの抗菌力を検討した結果, 両菌に対しほぼ同等の抗菌力を示しMICの分布は2峰性で, 多くは0.2μg/ml~3.13μg/mlの間に分布しMIC 100μg/ml以上の高度耐性菌は, Coagulase陽性ブ菌で8株 (16.7%), 陰性ブ菌で2株 (8.7%) であった。 2) ラットにMOMを200mg/kgの投与量を...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 29; no. 1; pp. 48 - 52
Main Authors 洲脇, 正雄, 山本, 康生, 柏, 尚裕, 荒田, 次郎, 野原, 望, 池田, 政身
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.01.1981
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.29.48

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Summary:皮膚科領域においてMidecamycinの新しい誘導体9, 3''-di-O-acetyl midecamycin (MOM) について検討した。 1) 膿皮症から得られたCoagulase陽性ブ菌48株, Coagulase陰性ブ菌23株に対するMOMの抗菌力を検討した結果, 両菌に対しほぼ同等の抗菌力を示しMICの分布は2峰性で, 多くは0.2μg/ml~3.13μg/mlの間に分布しMIC 100μg/ml以上の高度耐性菌は, Coagulase陽性ブ菌で8株 (16.7%), 陰性ブ菌で2株 (8.7%) であった。 2) ラットにMOMを200mg/kgの投与量を空腹時セと胃内投与し, 経時的に血清中および皮内濃度を検討した。血清中濃度は投与後4~6時間でピークに達し撰与後4時間値は4.39μg/mlであった。皮内濃度は血清中濃度とほぼ平行して上昇し皮膚への移行性は良好であった。 臨床応用として膿皮症21例に使用し13例に有効例を認めた。副作用として1例に軽度の上腹部痛を認めた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.29.48