胆管結石症に対する胆管十二指腸側々吻合術の検討

過去12年間に, 肝外胆管に拡張を認めた胆管結石50例に対して, 胆管十二指腸側々吻合術を施行したが, 追跡調査からも術後の胆管炎の発生は1例もみられず, これらの成績を胆管空腸側々吻合術, 乳頭形成術と比較したが, 優るとも劣らぬ成績が得られた. また, 術後の上部消化管造影にて, 腸管内容の胆管内への逆流と排泄について検討したが, 吻合口が大きければ, 逆流した造影剤の十二指腸への排泄は速やかであった. 以上の成績とともに, 逆行性胆管炎およびSump Syndromeについて考察を加えたが, 吻合口を大きくすれば (2.5cm以上), これらは臨床上問題とはならず, 胆管十二指腸側々吻合...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 7; pp. 1671 - 1676
Main Authors 久野, 博, 梶原, 義史, 中田, 俊則, 伊藤, 新一郎, 古川, 正人, 森永, 敏行, 前田, 滋, 林, 日出喜, 酒井, 敦, 糸瀬, 薫, 山田, 隆平, 大坪, 光次, 西, 八嗣, 中崎, 隆行, 千葉, 憲哉, 大野, 康治, 瀬戸口, 正幸, 阿比留, 浩佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1985
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.18.1671

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Summary:過去12年間に, 肝外胆管に拡張を認めた胆管結石50例に対して, 胆管十二指腸側々吻合術を施行したが, 追跡調査からも術後の胆管炎の発生は1例もみられず, これらの成績を胆管空腸側々吻合術, 乳頭形成術と比較したが, 優るとも劣らぬ成績が得られた. また, 術後の上部消化管造影にて, 腸管内容の胆管内への逆流と排泄について検討したが, 吻合口が大きければ, 逆流した造影剤の十二指腸への排泄は速やかであった. 以上の成績とともに, 逆行性胆管炎およびSump Syndromeについて考察を加えたが, 吻合口を大きくすれば (2.5cm以上), これらは臨床上問題とはならず, 胆管十二指腸側々吻合術は, 安全で有効な術式であり, さらに, 広く用いられてよいと考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.18.1671