カナマイシンによる蝸牛障害動物のDPOAEと外有毛細胞の組織像との関連性

distortion product otoacoustic emissions (DPOAE) は周波数特異性の高い, 他覚的な聴力検査として臨床応用が有望視されているが, その基本的な性質は未だ不明の点が多い。 筆者らは硫酸カナマイシンによる蝸牛障害モルモットのDPOAEと, その外有毛細胞の組織像とを周波数毎に対応させ, その関連性の検討を行った。 DPOAEの検出が良好な周波数に対応する部分では外有毛細胞の残存率が高く, 逆にDPOAEレベルがノイズレベル以下の周波数では外有毛細胞はほとんど残っていなかった。 この結果より, DPOAEの発生には外有毛細胞が存在していることが必要であり...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 36; no. 6; pp. 746 - 750
Main Authors 熊谷, 重城, 高坂, 知節, 大山, 健二, 稲村, 直樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 31.12.1993
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.36.746

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Summary:distortion product otoacoustic emissions (DPOAE) は周波数特異性の高い, 他覚的な聴力検査として臨床応用が有望視されているが, その基本的な性質は未だ不明の点が多い。 筆者らは硫酸カナマイシンによる蝸牛障害モルモットのDPOAEと, その外有毛細胞の組織像とを周波数毎に対応させ, その関連性の検討を行った。 DPOAEの検出が良好な周波数に対応する部分では外有毛細胞の残存率が高く, 逆にDPOAEレベルがノイズレベル以下の周波数では外有毛細胞はほとんど残っていなかった。 この結果より, DPOAEの発生には外有毛細胞が存在していることが必要であり, またDPOAEの測定によって蝸牛病変の分布を推定することができると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.36.746