Autonomically-induced change in the direction of reentrant circuit in a patient with dual A-V nodal pathways
二重房室結節伝導路を基盤として発生する房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)には遅伝導路を順伝導し速伝導路を逆伝導する遅速型と逆の興奮回旋を示す速遅型が知られているが,後者はまれである.我々は同一症例で両者の頻拍を認め,それらへの迷走神経遮断の影響を検討したので報告する.症例は70歳女性.14年前から時々,20分間前後の動悸発作を自覚していた.Holter心電図では心拍数増加時に30秒間前後のlong RP' tachycardiaを認めた.電気生理学的検査では,コントロールの右房早期刺激( S 1 S 2 S 3 法) によりA 3 H 3 およびH 2H3間隔のjump upを...
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Published in | Shinzo Vol. 25; no. 6; pp. 691 - 695 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
Japan Heart Foundation
15.06.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.25.6_691 |
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Summary: | 二重房室結節伝導路を基盤として発生する房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)には遅伝導路を順伝導し速伝導路を逆伝導する遅速型と逆の興奮回旋を示す速遅型が知られているが,後者はまれである.我々は同一症例で両者の頻拍を認め,それらへの迷走神経遮断の影響を検討したので報告する.症例は70歳女性.14年前から時々,20分間前後の動悸発作を自覚していた.Holter心電図では心拍数増加時に30秒間前後のlong RP' tachycardiaを認めた.電気生理学的検査では,コントロールの右房早期刺激( S 1 S 2 S 3 法) によりA 3 H 3 およびH 2H3間隔のjump upを生じ,遅速型(AH間隔340,HA間隔50msec)の持続性AVNRTが誘発された.Atropine静注後には速伝導路の不応期が選択的に短縮し,S1S2法により速遅型(AH間隔90,HA間隔240msec)と思われる非持続性AVNRT(long RP' tachycardia)が誘発された.以上自律神経トーヌス変化により異なる興奮旋回を示すAVNRTのまれな1例を報告した. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.25.6_691 |