一時的幽門閉鎖法およびダメージコントロール手術を用いて救命した膵上腸間膜静脈損傷合併十二指腸破裂の1例
鈍的外傷による膵・上腸間膜静脈損傷合併十二指腸破裂に対し, ダメージコントロール手術とpyloric exclusion法の変法である一時的幽門閉鎖法を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は40歳の男性で, トラック運転中停車していたトラックに衝突し受傷した. 腹部造影CTにて上腸間膜静脈損傷による出血性ショックと診断し, 緊急手術を施行した. 上腸間膜静脈, 十二指腸, 上行・横行結腸, 膵頭部に損傷を認めた. 術中臨床的出血傾向が出現したため, ダメージコントロール手術とした. ICUにてアシドーシス, 低体温を改善させた6時間後に再手術を施行した. 十二指腸損傷に対し, 破裂部...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 37; no. 4; pp. 458 - 462 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.04.2004
一般社団法人日本消化器外科学会 The Japanese Society of Gastroenterological Surgery |
| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.37.458 |
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| Summary: | 鈍的外傷による膵・上腸間膜静脈損傷合併十二指腸破裂に対し, ダメージコントロール手術とpyloric exclusion法の変法である一時的幽門閉鎖法を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は40歳の男性で, トラック運転中停車していたトラックに衝突し受傷した. 腹部造影CTにて上腸間膜静脈損傷による出血性ショックと診断し, 緊急手術を施行した. 上腸間膜静脈, 十二指腸, 上行・横行結腸, 膵頭部に損傷を認めた. 術中臨床的出血傾向が出現したため, ダメージコントロール手術とした. ICUにてアシドーシス, 低体温を改善させた6時間後に再手術を施行した. 十二指腸損傷に対し, 破裂部を縫合閉鎖した後, 胃内腔より幽門を縫合閉鎖した. 縫合糸を後日経内視鏡的に除去する前提で胃空腸吻合は作製せず, 胃瘻を造設し, 結腸の再建を行い手術を終了した. 第17 病日に経内視鏡的に幽門閉鎖した縫合糸を切離し, 幽門を開通させた. 第42 病日に軽快退院した. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.37.458 |