A case of von Recklinghausen disease associated with hypertrophic cardiomyopathy

肥大型心筋症を合併したvon Recklinghausen病のまれな1例を経験した.症例は70歳の女性で,幼少時よりカフェ・オ・レ斑があり,20歳頃より多発性神経線維腫が出現してきた.60歳頃より検診で心電図異常を指摘されていたが,63歳時に精査のため来院し当時の心エコー図で肥大型心筋症と診断された.症状はなく,Ca拮抗薬とβ 遮断薬で治療が行われていたが,今回病態の再評価を目的に心精査を施行した.断層およびMモード心エコー図では非対称性中隔肥大と僧帽弁前尖の収縮期前方運動を認めた.連続波ドップラーによる左室流出路の最高血流速度は約6m/秒に達し,140mmHg前後の著明な圧較差が推定され閉塞...

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Published inShinzo Vol. 28; no. 9; pp. 755 - 761
Main Authors Miyakita, Yasushi, Kodera, Kunio, Kainum, Tomoo
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 15.09.1996
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.28.9_755

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Summary:肥大型心筋症を合併したvon Recklinghausen病のまれな1例を経験した.症例は70歳の女性で,幼少時よりカフェ・オ・レ斑があり,20歳頃より多発性神経線維腫が出現してきた.60歳頃より検診で心電図異常を指摘されていたが,63歳時に精査のため来院し当時の心エコー図で肥大型心筋症と診断された.症状はなく,Ca拮抗薬とβ 遮断薬で治療が行われていたが,今回病態の再評価を目的に心精査を施行した.断層およびMモード心エコー図では非対称性中隔肥大と僧帽弁前尖の収縮期前方運動を認めた.連続波ドップラーによる左室流出路の最高血流速度は約6m/秒に達し,140mmHg前後の著明な圧較差が推定され閉塞性肥大型心筋症と診断した.合併機序の1つにカテコールアミン代謝異常が想定されているが,尿中カテコールアミン3分画中アドレナリンが軽度増加していた以外は123I-MIBG心筋SPECTおよび131I-MIBGシンチグラムでも明らかな異常を指摘できなかった.肥大型心筋症とvon Recklinghausen病の病因上の関連や正確な合併頻度はいまだに不明である.臨床的には肥大型心筋症の無症状例が問題となるため,常にその合併を念頭に置きvon Recklinghausen病患者の診療に当たることが重要と思われる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.28.9_755