鼻腔異物 (ボタン型アルカリ電池) の1症例 その組織障害に関する考察

近年, ボタン型アルカリ電池が広く使用されるに伴い, 耳鼻咽喉科領域において異物としての報告が見られるようになった。本邦において電池の鼻腔異物としての報告は僅か12例しかない。今回2歳の男児で挿入より15.5時間後に除去したが, 鼻中隔粘膜および軟骨の壊死による鼻中隔穿孔を来した症例を経験したので, 鼻腔電池異物による組織傷害について文献的考察を加え報告した。本症例は, アルカリによる強烈な化学火傷による組織傷害が示唆された。...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 39; no. 3; pp. 273 - 277
Main Authors 川目, 勘太郎, 博久, 詠司, 舩坂, 宗太郎, 平出, 文久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.06.1996
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.39.273

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Summary:近年, ボタン型アルカリ電池が広く使用されるに伴い, 耳鼻咽喉科領域において異物としての報告が見られるようになった。本邦において電池の鼻腔異物としての報告は僅か12例しかない。今回2歳の男児で挿入より15.5時間後に除去したが, 鼻中隔粘膜および軟骨の壊死による鼻中隔穿孔を来した症例を経験したので, 鼻腔電池異物による組織傷害について文献的考察を加え報告した。本症例は, アルカリによる強烈な化学火傷による組織傷害が示唆された。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.39.273