エレクトロクロミズム機能を持つ新規なプルシアンブルー・高分子複合膜

混合原子価多核金属錯体であるプルシアンブルー (PB) を界面活性剤で有機溶媒に分散可溶化し, 合成高分子とともにキャストすることにより新しいPB-高分子複合膜を作製した. クロロホルム中にPBを可溶化させるための界面活性剤としてはカチオン性の塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが優れていることを明らかにした. この方法で得られたPB-高分子複合膜は電析PB膜と類似のエレクトロクロミズムを示し, 特にLiClO4の添加により, 速い応答が可能となった. このPB-高分子複合膜のサイクリックボルタモグラム, エネルギー分散型X線分光, 走査電子顕微鏡観察, 及びサイクリックボルタモグラムと同時...

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Published in高分子論文集 Vol. 47; no. 10; pp. 825 - 832
Main Authors 林, 如章, 戸嶋, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.10.1990
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.47.825

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Summary:混合原子価多核金属錯体であるプルシアンブルー (PB) を界面活性剤で有機溶媒に分散可溶化し, 合成高分子とともにキャストすることにより新しいPB-高分子複合膜を作製した. クロロホルム中にPBを可溶化させるための界面活性剤としてはカチオン性の塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが優れていることを明らかにした. この方法で得られたPB-高分子複合膜は電析PB膜と類似のエレクトロクロミズムを示し, 特にLiClO4の添加により, 速い応答が可能となった. このPB-高分子複合膜のサイクリックボルタモグラム, エネルギー分散型X線分光, 走査電子顕微鏡観察, 及びサイクリックボルタモグラムと同時に測定した可視吸収スペクトル変化から, 本膜中のPBは, 可溶性PBであることが明らかとなった.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.47.825