ヨウ化サマリウムを用いるp位にアミド基を有するスチレンの重合

ヨウ化サマリウム (SmI2) を開始剤としてp位にアミド基をもつスチレンのアニオン重合を行った. p-置換スチレンとしてN, N-ジメチル-4-ビニルベンズアミド (1), N, N-ジエチル-4-ビニルベンズアミド (2), N, N-ジイソプロピル-4-ビニルベンズアミド (3), N- (4-ビニルベンゾイル) ピペリジン (4) を用い, ヘキサメチルホスホロアミド (HMPA) 存在下ヨウ化サマリウムによる重合を検討した. HMPAをヨウ化サマリウムに対して5.8当量用いた条件下では55~96%の収率で相当するポリマーが得られた. 特に, 1は分子量分布の狭いポリマーを与えた. さ...

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Published in高分子論文集 Vol. 54; no. 12; pp. 886 - 890
Main Authors 遠藤, 剛, 野村, 亮二, 五所, 亜紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.12.1997
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.54.886

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Summary:ヨウ化サマリウム (SmI2) を開始剤としてp位にアミド基をもつスチレンのアニオン重合を行った. p-置換スチレンとしてN, N-ジメチル-4-ビニルベンズアミド (1), N, N-ジエチル-4-ビニルベンズアミド (2), N, N-ジイソプロピル-4-ビニルベンズアミド (3), N- (4-ビニルベンゾイル) ピペリジン (4) を用い, ヘキサメチルホスホロアミド (HMPA) 存在下ヨウ化サマリウムによる重合を検討した. HMPAをヨウ化サマリウムに対して5.8当量用いた条件下では55~96%の収率で相当するポリマーが得られた. 特に, 1は分子量分布の狭いポリマーを与えた. さらに, 2と過剰量のヨウ化サマリウムとの反応で, 52%の収率でホモカップリングした生成物が得られたことから, モノマーがヨウ化サマリウムにより一電子還元されアニオンラジカルを生成後, さらにこれがホモカップリングしてジアニオンを生じ, これが開始種となって重合が進行するものと考えられる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.54.886