AFP値再上昇のない縦隔胚細胞性腫瘍の再発の1例
再発時に血中AFP値の再上昇を欠いた縦隔原発胚細胞性腫瘍を経験した.症例は16歳男性で, 前縦隔腫瘍の診断で1995年5月腫瘍摘出術を行い, 血中AFP値は5,490ng/ml から373ng/ml に低下した.併合奇形腫の病理組織診断を得, 術後のmodified PVB therapy で血中AFP値は7.2ng/mlと正常域まで低下し, 画像上腫瘍遺残もなく外来で経過を観察していた.7ヵ月後に再発を認めたが, 血中AFP値は5.2ng/mlであった.翌年1月胸膜・肺全摘術を施行したが, 第9病日に死亡した.術後の病理組織学的検査で化学療法による腫瘍構成成分の変化とAFP産生を伴わない成分...
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          | Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 11; no. 2; pp. 186 - 193 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | English Japanese  | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
    
        15.03.1997
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| Subjects | |
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| ISSN | 0919-0945 1881-4158  | 
| DOI | 10.2995/jacsurg.11.186 | 
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| Summary: | 再発時に血中AFP値の再上昇を欠いた縦隔原発胚細胞性腫瘍を経験した.症例は16歳男性で, 前縦隔腫瘍の診断で1995年5月腫瘍摘出術を行い, 血中AFP値は5,490ng/ml から373ng/ml に低下した.併合奇形腫の病理組織診断を得, 術後のmodified PVB therapy で血中AFP値は7.2ng/mlと正常域まで低下し, 画像上腫瘍遺残もなく外来で経過を観察していた.7ヵ月後に再発を認めたが, 血中AFP値は5.2ng/mlであった.翌年1月胸膜・肺全摘術を施行したが, 第9病日に死亡した.術後の病理組織学的検査で化学療法による腫瘍構成成分の変化とAFP産生を伴わない成分の増殖を認めた. 腫瘍マーカーの上昇する縦隔原発胚細胞性腫瘍では, 腫瘍マーカーが治療効果や臨床経過の指標になり, 一般に再発時には再上昇する.自験例は, 再発時に血中AFP値の再上昇を認めず, 急速に腫瘍が増大した稀な症例と思われ報告する. | 
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158  | 
| DOI: | 10.2995/jacsurg.11.186 |