視触診・超音波・乳房撮影各々の乳癌検診見落し例の検討
乳癌検診における視触診(以下, PE), 超音波検査(以下, US)および乳房撮影(以下, MMG)各々の検査法で検出し得なかった乳癌症例を比較検討することにより, 三者併用検診の有用性を検証した. 3年間に三者併用検診により検出した30例の発見乳癌のうち, PE見落し群は9例, US見落し群は6例, MMG見落し群は7例で, 正診率はそれぞれPEが70%, USが80%, MMGが76.7%であった. MLOフィールド外で腫瘤を見落した1例を除けばMMGの正診率は80%であった. USを省いたPE・MMG二者併用検診では30例中2例, 6.7%の乳癌が見落され, 同様にMMGを省いたPE・U...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; p. 563 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農村医学会
01.09.2005
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ISSN | 0468-2513 |
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Summary: | 乳癌検診における視触診(以下, PE), 超音波検査(以下, US)および乳房撮影(以下, MMG)各々の検査法で検出し得なかった乳癌症例を比較検討することにより, 三者併用検診の有用性を検証した. 3年間に三者併用検診により検出した30例の発見乳癌のうち, PE見落し群は9例, US見落し群は6例, MMG見落し群は7例で, 正診率はそれぞれPEが70%, USが80%, MMGが76.7%であった. MLOフィールド外で腫瘤を見落した1例を除けばMMGの正診率は80%であった. USを省いたPE・MMG二者併用検診では30例中2例, 6.7%の乳癌が見落され, 同様にMMGを省いたPE・US二者併用検診では3例, 10%の乳癌が見落されたが, PEを省いたUS・MMG二者併用検診では1例, 3.3%の乳癌が見落されるにとどまる結果であった. PEとMMG見落し群は各検出例に比し有意に小腫瘤径乳癌が多いが, US見落し群では有意差を認めず, USの見落しは腫瘤の大小ではなく乳癌のUS画像診断上の問題であることが示唆された. PE見落し群はMMG見落し群に比して有意に組織学的浸潤度が低い症例が多かったが, リンパ節転移は3例を数えMMG見落し群の1例より多く, 更にその3例とも0.8cmから0.9cmの小腫瘤径乳癌であった. この非触知乳癌をUSとMMGが両者同時に, あるいは単独で辛うじて拾い上げていた. |
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ISSN: | 0468-2513 |