小児を対象とした視覚情報を用いた手洗い指導の効果
「要旨」日常的な手洗いは, 感染症の予防に有効であり, 日本においては幼稚園や小学校等の教育機関でも指導が実施されている. しかしながら, 低年齢の子どもたちに手洗いの必要性を理解させ, 正しい方法でこまめに手洗いをさせることは容易ではない. 成人における動画による視覚情報を用いた手洗い指導は, 手洗いの手技の習得に有効な方法であることが示されている. そこで小児でも同様の効果が得られると仮定し, 小児に対して動画による視覚情報を用いた手洗い指導を行い, 指導効果を明らかにすることを目的に研究を行なった. 対象者は, 2歳から6歳までの保護者から同意を得られた, 計12名 (男児7名, 女児5...
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          | Published in | 四国医療専門学校紀要 no. 5; pp. 35 - 39 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            四国医療専門学校
    
        31.03.2024
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| ISSN | 2435-4562 | 
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| Summary: | 「要旨」日常的な手洗いは, 感染症の予防に有効であり, 日本においては幼稚園や小学校等の教育機関でも指導が実施されている. しかしながら, 低年齢の子どもたちに手洗いの必要性を理解させ, 正しい方法でこまめに手洗いをさせることは容易ではない. 成人における動画による視覚情報を用いた手洗い指導は, 手洗いの手技の習得に有効な方法であることが示されている. そこで小児でも同様の効果が得られると仮定し, 小児に対して動画による視覚情報を用いた手洗い指導を行い, 指導効果を明らかにすることを目的に研究を行なった. 対象者は, 2歳から6歳までの保護者から同意を得られた, 計12名 (男児7名, 女児5名) であった. 対象者はパワーポイントによる手洗いの講義, 動画による手洗いの方法を学習後, 手洗いを実施した. 手洗い前後でハンドぺたんチェックを用いて, 手指の衛生状況を観察した. 全ての児において, 最後まで集中して講義を聴講することができた. また, 手洗い後の手指は手洗い前と比較し, 有意なコロニー数の減少がみられた. さらにこのコロニー数の減少は, 年齢に関係なく手洗い後の手指に大幅にみられた. 動画による視覚情報を用いた手洗い指導は, 言語発達が十分でない児でも, 模倣することができ効果的な手洗い方法を学ぶことができたと考える. このため, 小児における動画による視覚情報を用いた手洗い指導は, 効果的であることが示された. しかしながら, コロニー数の減少率には個人差が大きかった. 同じように動画を模倣しても減少率に差が出た理由として, 手洗い手技のどこかが不十分であったと考える. 本実験において, 減少率の高い児と低い児で手洗い手技のどの過程に違いがあったのかは十分な検証ができていないため, 減少率の違いによる手洗い手技の違いを今後検討する必要がある. | 
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| ISSN: | 2435-4562 |