肺末梢微小結節に対する術前CTガイドによる気管支鏡下マーキング
肺末梢微小結節に対しては経皮的穿刺によるCTガイド下マーキングの後, 胸腔鏡下手術を行っていたが, 致死的合併症を経験したことから当科では経気管支鏡下にマーキングを行うようにしている. 【方法】2003年1月から2004年2月までに肺末梢微小結節に対して術前CTガイドによる気管支鏡下マーキングを7例(男性2, 女性5, 平均年齢56.9歳), 9病変に対して行った. IVR-CT室で通常の気管支鏡検査を行い, それに続いて細径ファイバー(外径2.8mmまたは3.2mm)を挿入し, 直視下に目標気管支まで誘導しCTで病変との位置関係を把握後, X線透視下にバリウムまたは血管塞栓用コイルを留置して...
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Published in | 気管支学 Vol. 26; no. 3; p. 242 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
10.05.2004
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 肺末梢微小結節に対しては経皮的穿刺によるCTガイド下マーキングの後, 胸腔鏡下手術を行っていたが, 致死的合併症を経験したことから当科では経気管支鏡下にマーキングを行うようにしている. 【方法】2003年1月から2004年2月までに肺末梢微小結節に対して術前CTガイドによる気管支鏡下マーキングを7例(男性2, 女性5, 平均年齢56.9歳), 9病変に対して行った. IVR-CT室で通常の気管支鏡検査を行い, それに続いて細径ファイバー(外径2.8mmまたは3.2mm)を挿入し, 直視下に目標気管支まで誘導しCTで病変との位置関係を把握後, X線透視下にバリウムまたは血管塞栓用コイルを留置してマーキングした. また, 最近は仮想気管支鏡によるナビゲーション(VBナビ)を利用している. 【結果】初期の2例はバリウム, 以後の5例はコイルでマーキングした. VBナビは有用でマーキング施行時間の短縮が出来た. マーキング1~30日後にX線透視を併用し胸腔鏡下肺部分切除を行った. バリウムあるいはコイルはすべて術中X線透視で確認され, 病変位置の確認と切除範囲の決定に有用であった. 肺癌7病変, 肺内リンパ節2病変と診断され, 肺癌の1例は術中迅速病理診断の結果から葉切除と縦隔リンパ節郭清を施行した. 【結論】本方法は合併症もなく容易に施行でき, 肺末梢微小病変に対する胸腔鏡下手術時のマーキングとして有用である. また, VBナビは有用で施行時間の短縮と患者の苦痛軽減に役立った. |
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ISSN: | 0287-2137 |