逆行性射精治療におけるアモキサピンの代替薬としてのイミプラミンの意義

「抄録:」【背景】イミプラミンはアモキサピンが逆行性射精に対する主要な治療薬となる以前より使用されていた薬剤であり, アモキサピンが販売終了となり再び逆行性射精の治療に用いられている. 今回我々は, 逆行性射精におけるアモキサピンの代替薬としてのイミプラミンの意義を検討した. 【対象と方法】対象は2022年9月1日から2023年5月31日までの間に, 逆行性射精の治療でイミプラミンを投与した患者. アモキサピンからイミプラミンに変更した19例(変更群)と, 加療歴のない新規イミプラミン導入例8例(新規導入群)の計27例の, 投与後の症状を問診にて確認した. 用量調節は治療効果と希望に応じ適宜行...

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 87; no. 1; pp. 6 - 11
Main Authors 上谷将人, 山辺史人, 小林秀行, 中島耕一, 永尾光一, 三井要造
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.10.2024
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ISSN0029-0726

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Summary:「抄録:」【背景】イミプラミンはアモキサピンが逆行性射精に対する主要な治療薬となる以前より使用されていた薬剤であり, アモキサピンが販売終了となり再び逆行性射精の治療に用いられている. 今回我々は, 逆行性射精におけるアモキサピンの代替薬としてのイミプラミンの意義を検討した. 【対象と方法】対象は2022年9月1日から2023年5月31日までの間に, 逆行性射精の治療でイミプラミンを投与した患者. アモキサピンからイミプラミンに変更した19例(変更群)と, 加療歴のない新規イミプラミン導入例8例(新規導入群)の計27例の, 投与後の症状を問診にて確認した. 用量調節は治療効果と希望に応じ適宜行い, 治療経過中に順行性射精可能となった場合を効果ありとした. 【結果】変更群では19例中18例(94.7%)が引き続き順行性射精可能であったが, その中8例はアモキサピンに比べ効果が減弱した. 新規導入群で効果がみられたものは8例中2例(25.0%)であった. イミプラミン増量を変更群の5例, 新規導入群の3例に行ったが, いずれも増量による効果はみられなかった. 挙児希望のあった症例は4例で, イミプラミンにて順行性射精可能となった1例が射出精子を用いて妊娠, 出産に至った. 【結語】アモキサピン有効患者では効果は弱まるものの, イミプラミンが代替薬として使用できる可能性が示された. 一方, 新規導入患者への有効率は低かった.
ISSN:0029-0726