全弓部置換術における三方活栓自動切替装置を介した人工肺排出ガスモニタリングの有用性

「要旨」全弓部置換術に対し, 下半身循環停止を伴う脳分離体外循環法を採用する施設は多い. 下半身循環停止により滞留した低酸素, 高二酸化炭素の血液は循環再開時に大量にリザーバーに流れ込むため, 人工肺吹送ガス流量を調節して灌流血液ガスの適正化を図る必要がある. 当院では血液ガス分析とともに三方活栓自動切替装置を介した人工肺排出ガスモニタリングを実施し, 体外循環中の人工肺吹送ガスを管理している. 本法は三方活栓により流路を切り替え, 人工肺排出ガスと大気を交互にサンプリングし, カプノグラムにて継続的に矩形波を描出させることによりPETCO2値としてモニタリングできる. 今回, 循環再開から復...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in体外循環技術 Vol. 50; no. 4; pp. 449 - 454
Main Authors 篠原智誉, 道本晋吾, 柳田開成, 池垣亮太, 山野咲, 植田祐希, 吉田靖, 平目正樹, 倉矢恭子, 石田洋章, 西謙一, 上野高義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2023
Online AccessGet full text
ISSN0912-2664

Cover

More Information
Summary:「要旨」全弓部置換術に対し, 下半身循環停止を伴う脳分離体外循環法を採用する施設は多い. 下半身循環停止により滞留した低酸素, 高二酸化炭素の血液は循環再開時に大量にリザーバーに流れ込むため, 人工肺吹送ガス流量を調節して灌流血液ガスの適正化を図る必要がある. 当院では血液ガス分析とともに三方活栓自動切替装置を介した人工肺排出ガスモニタリングを実施し, 体外循環中の人工肺吹送ガスを管理している. 本法は三方活栓により流路を切り替え, 人工肺排出ガスと大気を交互にサンプリングし, カプノグラムにて継続的に矩形波を描出させることによりPETCO2値としてモニタリングできる. 今回, 循環再開から復温に至るまでのPCO2分圧および人工肺吹送ガスの設定変更頻度などを調査し, 本モニタリングの有用性を検討した. 三方活栓自動切替装置を介した人工肺排出ガスモニタリングは下半身循環停止を伴う脳分離体外循環において簡易的に炭酸ガスをモニタリングでき有用である.
ISSN:0912-2664