移植外科における周術期栄養管理 - 膵臓

「I はじめに」本邦におけるI型糖尿病に対する膵臓移植は, 2017年末までに354例(脳死・心停止/生体:327/27例)となり, 移植後の膵グラフト生存率も, 脳死・心停止下では3年で80.2%, 5年で74.9%と良好な成績を収めている. しかし, その一方で周術期合併症により, 膵グラフト喪失に至る症例が29例(8.7%)に認められており, その原因としては, グラフト血栓症が18例(5.5%)と最も頻度が高く, 次いでグラフト十二指腸関連合併症(5例:1.5%), 急性拒絶(2例:0.6%), 敗血症(3例)と心疾患(1例)による患者死亡(4例:1.2%)などがあげられ, これらの周...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 53; no. 1; pp. 49 - 55
Main Authors 浅岡忠史, 伊藤壽記, 江口英利, 福田泰也, 花木武彦, 岩上佳史, 秋田裕史, 野田剛広, 後藤邦仁, 小林省吾, 森正樹, 土岐祐一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 15.02.2019
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ISSN0389-5564

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Summary:「I はじめに」本邦におけるI型糖尿病に対する膵臓移植は, 2017年末までに354例(脳死・心停止/生体:327/27例)となり, 移植後の膵グラフト生存率も, 脳死・心停止下では3年で80.2%, 5年で74.9%と良好な成績を収めている. しかし, その一方で周術期合併症により, 膵グラフト喪失に至る症例が29例(8.7%)に認められており, その原因としては, グラフト血栓症が18例(5.5%)と最も頻度が高く, 次いでグラフト十二指腸関連合併症(5例:1.5%), 急性拒絶(2例:0.6%), 敗血症(3例)と心疾患(1例)による患者死亡(4例:1.2%)などがあげられ, これらの周術期合併症を回避することで, さらなるグラフト予後の改善が期待できる.
ISSN:0389-5564