肺結核における菌陰性化までの治療期間を予測するスコアリングシステム
「要旨:」〔目的〕肺結核診断時の臨床情報が菌陰性化までに要する治療期間に関与するか検討するとともに, 治療開始前に予測できるか検討する. 〔対象と方法〕2015年1月から2021年12月の間に塗抹陽性肺結核に対して当院で入院加療を行った123症例を対象とした. 臨床情報として年齢・性別・病巣の拡がり・排菌量・空洞の有無・免疫低下を伴う合併症の有無・免疫抑制剤等使用の有無の7項目を挙げ, 各項目における菌陰性化までの期間の比較と多変量解析を行った. 〔結果〕病巣の拡がり・排菌量・空洞の有無の3項目が菌陰性化までの期間に関わる有意な因子であった. 多変量解析で得た結果からスコアリングを作成し, ス...
Saved in:
| Published in | 結核 Vol. 98; no. 2; pp. 45 - 49 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本結核・非結核性抗酸菌症学会
15.03.2023
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0022-9776 |
Cover
| Summary: | 「要旨:」〔目的〕肺結核診断時の臨床情報が菌陰性化までに要する治療期間に関与するか検討するとともに, 治療開始前に予測できるか検討する. 〔対象と方法〕2015年1月から2021年12月の間に塗抹陽性肺結核に対して当院で入院加療を行った123症例を対象とした. 臨床情報として年齢・性別・病巣の拡がり・排菌量・空洞の有無・免疫低下を伴う合併症の有無・免疫抑制剤等使用の有無の7項目を挙げ, 各項目における菌陰性化までの期間の比較と多変量解析を行った. 〔結果〕病巣の拡がり・排菌量・空洞の有無の3項目が菌陰性化までの期間に関わる有意な因子であった. 多変量解析で得た結果からスコアリングを作成し, スコアによって対象を4群に分類したところ菌陰性化までの期間の中央値は21, 35, 60, 118日であり各群間で有意差を認めた. 〔結論〕病巣の拡がり・排菌量・空洞の有無の3項目が菌陰性化までの期間に有意に関連した因子であり, スコアリングを用いることで治療開始前から予測することが可能であった. |
|---|---|
| ISSN: | 0022-9776 |