非結核性抗酸菌感染動物モデル-マウス, 霊長類, ゼブラフィッシュを用いた研究を中心に

「要旨」 : 肺非結核性抗酸菌 (NTM) 症の病態生理を理解するためには, 生体とNTMとの相互関係を理解する必要がある. その際に, NTM感染の動物モデルとして, マウス, 霊長類, ゼブラフィッシュが使用されてきた. 中でも, マウスはNTM感染のモデルとして多く使用され, 薬剤の効果を検証したり, ある特定の遺伝子の役割を明らかにすることに役立ってきた. 本総説では, 肺NTM症のマウスモデル, および, 遺伝子改変マウスを用いた研究等について概説したうえで, Mycobacterium aviumを2カ月間感染させた野生型マウス肺組織の遺伝子発現の網羅解析に関するわれわれの研究結果...

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Published in結核 Vol. 98; no. 3; pp. 107 - 115
Main Authors 松山政史, 中嶋真之, 松村聡介, 野中水, 上田航大, 荒井直樹, 酒井千緒, 石井幸雄, 齋藤武文, 檜澤伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 15.05.2023
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : 肺非結核性抗酸菌 (NTM) 症の病態生理を理解するためには, 生体とNTMとの相互関係を理解する必要がある. その際に, NTM感染の動物モデルとして, マウス, 霊長類, ゼブラフィッシュが使用されてきた. 中でも, マウスはNTM感染のモデルとして多く使用され, 薬剤の効果を検証したり, ある特定の遺伝子の役割を明らかにすることに役立ってきた. 本総説では, 肺NTM症のマウスモデル, および, 遺伝子改変マウスを用いた研究等について概説したうえで, Mycobacterium aviumを2カ月間感染させた野生型マウス肺組織の遺伝子発現の網羅解析に関するわれわれの研究結果を紹介する. さらに, 霊長類を用いたモデルとゼブラフィッシュを用いた研究についても概説したい.
ISSN:0022-9776