レーザー焼灼後のステロイド局所注入が有効であった気管肉芽狭窄の1例

症例は80歳, 女性. 他院で人工呼吸管理を受けた後より喘鳴, 呼吸困難感が出現した. 挿管チューブによる気管狭窄が疑われ当院へ転院となった. 気管支鏡で輪状軟骨より4リング末梢に全周性の肉芽狭窄がみられた. 気管断層写真では狭窄の範囲は約5mmであった. 年齢, 全身状態等から, 先ず気管支鏡下レーザー焼灼により狭窄部の開大を試みた. レーザー焼灼後約1ヵ月で狭窄部に肉芽の再増生を認めたため, 気管形成術を考慮したが, 心不全があり手術は困難と考えられた. このため再度レーザー焼灼を施行後週1回のステロイド, トリアムシノロンアセトニド(TA)局所注入を継続することにした. 11週目でTA局...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 4; pp. 314 - 315
Main Authors 泉陽太郎, 諸江雄太, 尾仲章男, 加藤良一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.05.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は80歳, 女性. 他院で人工呼吸管理を受けた後より喘鳴, 呼吸困難感が出現した. 挿管チューブによる気管狭窄が疑われ当院へ転院となった. 気管支鏡で輪状軟骨より4リング末梢に全周性の肉芽狭窄がみられた. 気管断層写真では狭窄の範囲は約5mmであった. 年齢, 全身状態等から, 先ず気管支鏡下レーザー焼灼により狭窄部の開大を試みた. レーザー焼灼後約1ヵ月で狭窄部に肉芽の再増生を認めたため, 気管形成術を考慮したが, 心不全があり手術は困難と考えられた. このため再度レーザー焼灼を施行後週1回のステロイド, トリアムシノロンアセトニド(TA)局所注入を継続することにした. 11週目でTA局所注入を中止し経過をみたが再狭窄はみられず, 2回目のレーザー焼灼後4ヵ月で退院可能となった.
ISSN:0287-2137