蟹の足の殻誤嚥による気管支異物の1摘除例
飲食中, 毛蟹の足の殻を左主気管支に誤嚥し, 気管支鏡下に把持鉗子で摘除可能であった症例を経験したので報告した. 症例は39歳, 男性. 17歳の時ITPの既往がある. 夜間, 会食で飲酒しながらゆでた毛蟹を食べていた. 中の肉をかきだした後の足の殻を口に加えていたところ, 誤嚥し救急外来を受診した. 来院時, 呼吸音は左右とも聴取されたが, 吸呼気時とも喘鳴を認めた. 胸部レントゲン写真では異常所見を認めなかった. 気管支鏡で観察すると, 左主気管支に毛蟹の足の殻が嵌頓していた. 足の殻の内腔は中空状態で左肺への換気は可能であった. 鰐口型の把持鉗子で牽引したが, 蟹の足の殻のとげが気管支壁...
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          | Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 4; p. 401 | 
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| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本気管支学会
    
        25.05.1996
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| ISSN | 0287-2137 | 
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| Summary: | 飲食中, 毛蟹の足の殻を左主気管支に誤嚥し, 気管支鏡下に把持鉗子で摘除可能であった症例を経験したので報告した. 症例は39歳, 男性. 17歳の時ITPの既往がある. 夜間, 会食で飲酒しながらゆでた毛蟹を食べていた. 中の肉をかきだした後の足の殻を口に加えていたところ, 誤嚥し救急外来を受診した. 来院時, 呼吸音は左右とも聴取されたが, 吸呼気時とも喘鳴を認めた. 胸部レントゲン写真では異常所見を認めなかった. 気管支鏡で観察すると, 左主気管支に毛蟹の足の殻が嵌頓していた. 足の殻の内腔は中空状態で左肺への換気は可能であった. 鰐口型の把持鉗子で牽引したが, 蟹の足の殻のとげが気管支壁にささり牽引困難であった. 左主気管支末梢まで押し込み, 殻の向きを気管支断面に合わせ牽引することにより摘除が可能であった. | 
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| ISSN: | 0287-2137 |