90歳以上の超高齢者における大腿骨頸部骨折の予後の検討

「はじめに」近年の高齢化社会に伴い90歳以上の超高齢者への手術機会も増えている. なかでも大腿骨頸部骨折が手術症例として最も多い. 今回当院における, 超高齢者の大腿骨頸部骨折の術後経過について検討したので文献的考察を加え報告する. 対象及び方法 平成4年10月から平成9年2月までに当院で手術を行い術後1年以上が経過した90歳以上の大腿骨頸部骨折73例のうち, 直接検診または電話による問診により術後の経過が調査可能であった69例を対象とした. 性別は男性9例, 女性60例. 受傷時年齢は90歳から101歳, 平均92.6歳であった. これらに対し, 骨折部位別の予後, 入院時合併症別の予後につ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 1; pp. 98 - 101
Main Authors 川添浩史, 黒田宏, 福元洋一, 山口政一朗, 川越正一, 谷口博信, 田島直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」近年の高齢化社会に伴い90歳以上の超高齢者への手術機会も増えている. なかでも大腿骨頸部骨折が手術症例として最も多い. 今回当院における, 超高齢者の大腿骨頸部骨折の術後経過について検討したので文献的考察を加え報告する. 対象及び方法 平成4年10月から平成9年2月までに当院で手術を行い術後1年以上が経過した90歳以上の大腿骨頸部骨折73例のうち, 直接検診または電話による問診により術後の経過が調査可能であった69例を対象とした. 性別は男性9例, 女性60例. 受傷時年齢は90歳から101歳, 平均92.6歳であった. これらに対し, 骨折部位別の予後, 入院時合併症別の予後について検討し, さらに調査時生存例に対しADLの評価, 検討を行った. 検定にはX2検定を用いた. 結果 骨折部位は内側骨折18例, 外側骨折51例であった. 手術方法は, 外側骨折に対しては44例にγ-Nailを施行し, 3例にMultiple Pinning(MP)を, 転子下骨折の4例にはCompression Hip Screw(CHS)を施行した.
ISSN:0037-1033