高崎ら "フリーソフトで行うvirtual-assisted lung mapping (VAL-MAP)"

筆者らは, 肺悪性腫瘍に対して手術を施行した症例のうち, 3D-CTを用いて仮想的に規定した切除範囲を, 色素を経気管支的に肺内に散布することで視認可能にする肺マーキング法を行った. 本論文は, CTの3D再構成や散布する経気管支経路決定のために仮想気管支鏡画像の作成にあたり, 画像ソフトをフリーソフトで行いその有用性を後方視的に検討した観察研究である. すでに2017年にSatoらが, 本マーキング法の有用性を報告しているが, SatoらがSYNAPSE VINCENT(R)という市販有料ソフトを用いて3D再構成した仮想気管支鏡をガイドにしたのに対し, 著者らは, 無料ソフトを用いて仮想気管...

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Published in気管支学 Vol. 39; no. 6; pp. 483 - 484
Main Author 垣花昌俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2017
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ISSN0287-2137

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Summary:筆者らは, 肺悪性腫瘍に対して手術を施行した症例のうち, 3D-CTを用いて仮想的に規定した切除範囲を, 色素を経気管支的に肺内に散布することで視認可能にする肺マーキング法を行った. 本論文は, CTの3D再構成や散布する経気管支経路決定のために仮想気管支鏡画像の作成にあたり, 画像ソフトをフリーソフトで行いその有用性を後方視的に検討した観察研究である. すでに2017年にSatoらが, 本マーキング法の有用性を報告しているが, SatoらがSYNAPSE VINCENT(R)という市販有料ソフトを用いて3D再構成した仮想気管支鏡をガイドにしたのに対し, 著者らは, 無料ソフトを用いて仮想気管支鏡像を作成し, その有用性はSatoらとほぼ同等であることを明らかにした. 肺野末梢小型病変に対しては, 画像上癌が強く疑われ, 病巣の局在が肺野外套1/3内であれば胸腔鏡による生検を行い, 癌であればそのまま肺葉切除までの切除術を検討すべきと考える.
ISSN:0287-2137