ALI/ARDS症例に対するグルタミン強化経腸栄養の効果について
ALI/ARDS症例に対するグルタミンの効果についてretrospectiveに検討した. グルタミン強化(0.22~0.3g/kg)栄養剤群(Gln群: 44例)と,従来栄養剤群(Con群: 45例)を比較した. 年齢や経腸栄養開始までの期間, 原疾患に差はなかった. APACHEIIスコアとSOFAスコア, PaO2/FIO2比の推移は, 発症日から14日間まで有意差はなかった. 総蛋白値とアルブミン値は全経過で差はなかったが, 総リンパ球数では, 7日目と14日目でGln群がCon群に比して有意に高値だった. 白血球数は差がなかったが, CRP値は14日目で, Gln群がCon群に比して...
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Published in | 外科と代謝・栄養 Vol. 46; no. 1; pp. 1 - 8 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本外科代謝栄養学会
15.02.2012
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ISSN | 0389-5564 |
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Summary: | ALI/ARDS症例に対するグルタミンの効果についてretrospectiveに検討した. グルタミン強化(0.22~0.3g/kg)栄養剤群(Gln群: 44例)と,従来栄養剤群(Con群: 45例)を比較した. 年齢や経腸栄養開始までの期間, 原疾患に差はなかった. APACHEIIスコアとSOFAスコア, PaO2/FIO2比の推移は, 発症日から14日間まで有意差はなかった. 総蛋白値とアルブミン値は全経過で差はなかったが, 総リンパ球数では, 7日目と14日目でGln群がCon群に比して有意に高値だった. 白血球数は差がなかったが, CRP値は14日目で, Gln群がCon群に比して有意に低下した. 続発性感染症合併率や人工呼吸器装着期間, 高次救命センター在室期間, 90日死亡率の有意差はなかった. グルタミン強化栄養剤は, ALI/ARDSの転帰には寄与しなかったが, 抗炎症作用や細胞性免疫改善の可能性がある. |
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ISSN: | 0389-5564 |