企業役職者のストレスレベル

企業の役職者のストレスを検討するために, ある企業の労働者に対して調査を行った. [対象と方法] 対象は自動車部品製造販売会社の労働者149名である. 調査は自記式・匿名とした. 調査表は個人のプロフィール調査, 職場環境調査, Cox&Mackayのストレス測定項目(神代の改編), TMI(東邦大式医学指数)などで構成されている. [結果] 1)回収率:労働者149名のうち, 有効回答は131名(有効回収率87.9%)であった. このうち一般職は95名, 係長職11名, 課長職17名, 部長職7名であった. 2)Cox&Mackayのストレス測定項目:一般職, 部長職に比較して, 係長職およ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 43; no. 6; p. 225
Main Authors 馬目太永, 本田教一, 高松文也, 金子義宏, 大越茂子, 情野武志, 佐藤由美子, 鈴木恵利子, 神山峰由, 相崎雄二, 田中正敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2001
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ISSN1341-0725

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Summary:企業の役職者のストレスを検討するために, ある企業の労働者に対して調査を行った. [対象と方法] 対象は自動車部品製造販売会社の労働者149名である. 調査は自記式・匿名とした. 調査表は個人のプロフィール調査, 職場環境調査, Cox&Mackayのストレス測定項目(神代の改編), TMI(東邦大式医学指数)などで構成されている. [結果] 1)回収率:労働者149名のうち, 有効回答は131名(有効回収率87.9%)であった. このうち一般職は95名, 係長職11名, 課長職17名, 部長職7名であった. 2)Cox&Mackayのストレス測定項目:一般職, 部長職に比較して, 係長職および部長職はストレススコアが有意に低かった. 3)最終学歴:一般職, 係長職と比べて, 課長職・部長職になるに従って高学歴者の割合が高くなった. 4)TMIの結果:I群である心身の安定群の割合は, 一般職よりも中間管理職者で高かった. 5)職場環境調査:「職場は今の自分に合っている」, 「仕事に興味がある」と答えた割合は, 役職が上がるに従って高くなった. 「仕事で神経をすり減らす」と答えた割合は, 係長職が最も低かった. [まとめ] 課長職レベルの中間管理職者に関して, ストレスレベルの高いことが示された. さらに, 今後は他職種との比較検討を行う必要がある.
ISSN:1341-0725