災害と循環器疾患

2011年3月11日, 宮城県沖を震源とするマグニチュード9の大地震が発生し, 海溝型大地震特有の大津波により東日本の太平洋沿岸各地に甚大な人的・物的被害が生じました. この東日本大震災は, 福島第一原発事故による広域にわたる放射能汚染を引き起こし, 未曾有の複合的な大規模災害になりました. 死亡・行方不明者はあわせて1万9千名におよび, 今なお, 多くの方々が避難生活を余儀なくされています. 改めまして, 亡くなられた方々にお悔やみ申し上げるとともに, 避難生活を余儀なくされている方々にお見舞い申し上げます. 私が勤務します仙台市にある東北大学病院も古い建物を中心に大きな被害が出ましたが,...

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Published in心臓 Vol. 45; no. 9; pp. 1191 - 1196
Main Author 下川宏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.09.2013
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ISSN0586-4488

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Summary:2011年3月11日, 宮城県沖を震源とするマグニチュード9の大地震が発生し, 海溝型大地震特有の大津波により東日本の太平洋沿岸各地に甚大な人的・物的被害が生じました. この東日本大震災は, 福島第一原発事故による広域にわたる放射能汚染を引き起こし, 未曾有の複合的な大規模災害になりました. 死亡・行方不明者はあわせて1万9千名におよび, 今なお, 多くの方々が避難生活を余儀なくされています. 改めまして, 亡くなられた方々にお悔やみ申し上げるとともに, 避難生活を余儀なくされている方々にお見舞い申し上げます. 私が勤務します仙台市にある東北大学病院も古い建物を中心に大きな被害が出ましたが, 発災後いち早く体制を立て直して地域の災害医療に当たるとともに, 職員一丸となって沿岸を中心とした被災地の医療支援を行いました. また, 私どもの教室では, 震災発生から約4カ月が経過し精神的余裕も出てきた7月頃から, 今回の東日本大震災における循環器疾患の動向について, 調査研究を開始しました.
ISSN:0586-4488