H.pylori陰性の胃MALTリンパ腫に対してESDを行った1例
「症例」患者:59歳, 女性. 主訴:腹部膨満感. 既往歴:脂質異常症. 現病歴:2014年10月に腹部膨満感の精査のために行った上部消化管内視鏡(EGD)で, 胃角部大彎後壁側に陥凹性病変を認めた. 生検で胃Mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫と診断され, 精査加療目的に当院紹介受診となった. 血液検査所見:生化学・血算所見に特記事項なし, H.pylori IgG抗体3U/ml以下, 尿素呼気試験陰性. EGD所見:胃角部大彎後壁側に前医での生検痕を伴う6mm大の0-IIc様の病変を認めた. インジゴカルミン撒布後では中央の陥凹面に色素の貯...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 89; no. 1; pp. 88 - 90 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本消化器内視鏡学会関東支部会
16.12.2016
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ISSN | 1348-9844 |
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Summary: | 「症例」患者:59歳, 女性. 主訴:腹部膨満感. 既往歴:脂質異常症. 現病歴:2014年10月に腹部膨満感の精査のために行った上部消化管内視鏡(EGD)で, 胃角部大彎後壁側に陥凹性病変を認めた. 生検で胃Mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫と診断され, 精査加療目的に当院紹介受診となった. 血液検査所見:生化学・血算所見に特記事項なし, H.pylori IgG抗体3U/ml以下, 尿素呼気試験陰性. EGD所見:胃角部大彎後壁側に前医での生検痕を伴う6mm大の0-IIc様の病変を認めた. インジゴカルミン撒布後では中央の陥凹面に色素の貯留を認めた. 超音波内視鏡検査(EUS):第2層に主座を置く, 低エコー腫瘤として描出され, 第3層にわずかな圧排を認めたが, 断裂は認めず, 粘膜下層に限局していた. 以上より, 早期胃癌類似型(赤松らの内視鏡分類)の胃MALTリンパ腫と診断し, 限局期(Lugano分類I期)であったことから, 患者への十分な説明と同意のもとに, ESDによる病変切除を行った. |
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ISSN: | 1348-9844 |