COVID-19患者のECMO Transportの経験
「要旨」新型コロナウイルスの感染拡大に伴いCOVID-19患者のECMO Transportを経験した. 患者は70歳代, 男性. PCR検査でSARS-CoV-2の陽性が確認され紹介元病院へ入院した. 入院10日後にP/F 56と呼吸状態の悪化がみられ当院紹介となった. 医師2名, 臨床工学技士1名が紹介元病院へ出向きV-V ECMOを導入し患者安定化を行ったのち, 当院のECMO搬送車両にて搬送を行った. 当院までの搬送距離は150km, 所要時間は3時間であった. 個人防護具(personal protective equipment:PPE)はヘアキャップ, N95マスク, フェイスシ...
Saved in:
| Published in | 体外循環技術 Vol. 47; no. 3; pp. 274 - 278 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本体外循環技術医学会
01.10.2020
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0912-2664 |
Cover
| Summary: | 「要旨」新型コロナウイルスの感染拡大に伴いCOVID-19患者のECMO Transportを経験した. 患者は70歳代, 男性. PCR検査でSARS-CoV-2の陽性が確認され紹介元病院へ入院した. 入院10日後にP/F 56と呼吸状態の悪化がみられ当院紹介となった. 医師2名, 臨床工学技士1名が紹介元病院へ出向きV-V ECMOを導入し患者安定化を行ったのち, 当院のECMO搬送車両にて搬送を行った. 当院までの搬送距離は150km, 所要時間は3時間であった. 個人防護具(personal protective equipment:PPE)はヘアキャップ, N95マスク, フェイスシールド, ビニールガウン, グローブを用いた. 搬送中は感染対策として車内の窓を開放して搬送した. 冷温水槽は用いず, 車両の暖房, 電気毛布, メディラップ(R)(ディスポーザブル保温ブランケット)で対応したが体温の低下は見られなかった. その他, 搬送に伴う有害事象は発生しなかった. 患者は合計17日間のECMO管理の後に離脱. 離脱後35日目にリハビリ目的のため転院となった. その後の報告で歩行可能を確認している. 従来の当院ECMO Transportシステムに感染症対策を施すことでCOVID-19患者のECMO Transportは対応可能であった. |
|---|---|
| ISSN: | 0912-2664 |